ラバーハンド錯覚は、隠された自分の手に対する触覚刺激で、見えている偽の手を自分の手と感じる現象である。第1に、この錯覚を起こすために、他者刺激が必要であるかを調べ、自分自身による刺激でも錯覚が生じたことから、他者刺激が必要というわけではなかった。第2に、偽の手を自分が所有していると感じるとすると、温度感覚も転移するかどうかを調べ、隠された手に対する温度刺激が、偽の手に対する温度刺激に影響していた。第3に、ラバーハンド錯覚と同様に視触覚相互作用で生じる幽体離脱体験が、局所的触覚刺激ではなく、全体的な触覚刺激でも生じるかを調べ、風を用いた全体的な触覚刺激では、幽体離脱体験が生じにくかった。
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