研究課題
嵐山ニホンザル集団と勝山ニホンザル集団において、高齢個体の行動について、記録した。これまでヒト以外の動物における老眼は、チンパンジーにおいて予報的に報告されているのみであったが、ニホンザルの毛づくろい行動時の指先と目の位置関係から老眼の有無を推定できることが確認できた。眼科学的な検証は行ってはいないが、加齢に伴って、目と指先の距離が広がってくる個体を確認できた。20歳の時には、若い個体と同じように、目から10㎝程以内のところに指先を持ってきて(つまり、目を指先に近づけて)毛づくろいしていたのが、加齢に伴い徐々にその距離が広がり、25歳の時には、その距離が20㎝以上になることが確認できた。しかし、すべての高齢個体が行動学的な老眼といえるわけでもないことが、両集団のサーベイから確認できた。1回の毛づくろいの継続時間が、嵐山集団では長く、勝山集団では短い傾向が推定されているが、これは、嵐山集団における未成体の少なさが影響している可能性が考えられた。加齢に伴った、毛づくろいを受ける個体の減少は、行為個体よりも低位個体に顕著であり、社会的な老化は順位や子供の数の影響を受けることが推測された。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 2件)
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