ニホンザルのメスは、生涯を生まれ育った集団で暮らす。このようなニホンザルメスの加齢に伴った行動変化、特に20歳を超える高齢個体の行動に焦点を定めて、2つの集団で行動観察を実施した。 高齢個体の中で、老眼になっているものがいることを発見した。毛づくろいは、毛を分ける手指近くに目を近づけるのが一般的であるが、25歳前後の個体の中には目の位置を手指から離す個体がいる。これは老眼であると推測される。 高齢メスは社会的孤立傾向が目立つが、特に優劣順位が低い個体において、毛づくろいを受ける個体が少なくなるなど顕著であった。他方、親しい個体を亡くした高齢メスが新しいパートナーを見つける柔軟性も保持していた。
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