本研究は、シュツットガルト自由大学の大学としての国家的認定の獲得過程の分析に基づき、シュタイナー学校とその教員養成機関の法的地位の獲得過程とその意義を明らかにすることを目的としていた。1993年のドイツ連邦行政裁判所判決は、国家基準からの逸脱を認めない「同種性の原則」ではなく、「等価性の原則」を初めて大学における教員養成の次元にまで拡大適用し、ヴァルドルフ教員養成の「等価性」を認定した。このことは、それまでの教員養成の国家独占という長い伝統を否定し、ヴァルドルフ教員養成を公的地位を有するオルタナティブとして認定したことを意味した。
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