研究課題/領域番号 |
23653237
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴山 直 東北大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70240752)
|
研究分担者 |
清水 禎文 東北大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (20235675)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
キーワード | ジェネリック・スキル / 後期中等教育 / 学校教育改善 / 総合的学習 / 学校設定科目 |
研究概要 |
ジェネリック・スキル育成は、教育改革の国際的スローガンである。ジェネリック・スキルの育成を軸とした後期中等教育の質的改善の可能性を探る本研究は、総合学習および学校設定科目に注目し、(1)ジェネリック・スキル育成に関わるカリキュラム編成の実態調査、(2)生徒のパネル調査を通して、ジェネリック・スキルを測定するための指標開発を行う。また(3)先進的な海外の事例調査を行うことにより、国際的に通用する後期中等教育のあり方を提言することを目的とする。 平成23年度は、東日本大震災のため研究への着手が遅れ、またこれにともなって予定していた学校の協力を得ることが困難になったため、(1)ジェネリック・スキルに関わる文献調査を中心として、(2)協力高校(1校)におけるデータ収集、(3)「持続的発展のための教育」を実践している学校への訪問調査等を実施した。 研究の実施及び成果は以下の通りである。(1)理論的研究においては、ジェネリック・スキル概念が、1980年代から1990年代に成立した概念であり、その後産業界からの影響を受け「雇用可能性能力」として展開し、2000年前後から高等教育を中心とする学校教育や職業教育機関に広く普及するようになったこと、その一方でこの概念は生涯学習や市民性教育の文脈からも注目されるようになった。その結果、この概念にはベクトルの異なる二つの動機が一体となって展開していることを明らかにした。(2)協力高校においては、7月と11月に2回のアンケート調査を実施し、定期的に総合的学習を視察した。また(3)「持続的発展のための教育」を実践している高校の訪問調査及びアンケート調査等を実施した。 これらの調査研究を踏まえ、ジェネリック・スキル概念が学校教育に定着するためには、(1)カリキュラム改革、(2)教師教育改革、(3)アセスメント方法の開発が不可欠な要素であることを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災の影響のため研究への着手が遅れ、やはり震災のため当初予定していた学校の協力を得ることが困になったものの、1校の協力を得て継続的な調査研究を実施することができた。文献研究を中心とする理論的研究は順調に進展した。協力校が減ったためデータ数も減ることになったが、パイロット的研究としての本研究を遂行する上で、大きな支障はない。
|
今後の研究の推進方策 |
平成23年度の研究成果を踏まえ、継続してデータ収集を行うとともに、ジェネリック・スキルを測定する評価指標の開発を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、東日本大震災による研究計画の遅延に伴い生じた未使用額であり、平成24年度請求額とあわせ、平成24年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
|