研究課題/領域番号 |
23653237
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴山 直 東北大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70240752)
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研究分担者 |
清水 禎文 東北大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (20235675)
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キーワード | 教育学 / カリキュラム開発 / アセスメント / ジェネリック・スキル / ラーニング・アウトカム / 後期中等教育 / 高等教育 |
研究概要 |
平成24年度は、ジェネリック・スキル論の理論に焦点を当て研究を行った。平成23年度に行ったジェネリック・スキル論の政策的背景の分析を踏まえ、①理論分析を深めるとともに、②主として学校や大学におけるジェネリック・スキル論の具体的な展開を分析した。 事例を整理分類すると、ジェネリック・スキル論は、大きく分けて次の2つのタイプに分類できることが明らかになった。①教養教育論の新たな展開として、フィールドワークを含めた授業をコアとしたカリキュラム展開、②卒業時における学生が備えるべき資質能力を明確に定義し、あらゆる授業科目においてその資質能力の育成を図るタイプに分類することができる。①はコア・カリキュラム型、②は全科目型と言える。 調査を通して判明したことは、前者のコア・カリキュラム型においては、コアとなる授業と既存の授業との連携が重要であり、コア科目ばかりではなく、カリキュラム全体のアセスメント枠を開発し共有化することが課題となっている。後者の全教科型においては、①資質能力の明確化及び定義、②それらの資質能力全項目及びその程度を明示し(たとえば5段階)、アセスメント・シートを作成する、③教員に対しては、アセスメント方法については研修等を実施し、学校(機関)全体で共有化を図る、そのさい④強力なリーダーシップが求められる。 なお、研究対象として中等教育段階を想定していたが、中等教育段階においては自覚的にジェネリック・スキル、あるいはそれに類する理論を踏まえたカリキュラム編成、教育方法の開発、アセスメント等は自覚的に行われていない場合が多い。そこで主たる研究対象を高等教育にシフトした。その所産物としては「志尺度」の構成を挙げることができる。しかしその知見は、高等教育ばかりではなく、中等教育や初等教育にも適用可能である。
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