1.計画実施とその意義 歌の高齢初心者が安心してドレミから習い始められるテキストを作成・検証・改訂するための実践研究をスタートさせた。まず現在までの音楽教科書や音楽教育ソフトなどを収集・検討し、高齢初心者の要望にあうテキストを作成するための理論構築に向けて基礎データを蓄積し始めた。そして、少しずつテキストを作成し、最初のテキストを講座で検証しながら改訂を進めた。本研究は、高齢初心者の歌学習に関し、理論研究と実践研究を踏まえ、受講者用および講師用の教材開発に挑戦する予定であった。これまでの音楽教育を踏まえながらも、それにとらわれず、安心してドレミから習える歌の学習教授法モデルを声が出難くなってきた高齢初心者の立場から提示するとともに、特に、高齢初心者への指導に携る音楽講師再教育のための指導書を作成する予定である。本研究の成果を公開するためのホームページをスタートさせた。高齢社会を迎え、高齢初心者の立場から、高齢初心者のための歌の教授法を研究開発するという発想は大変独創的であると自負している。 2.研究計画を実行するための機器類準備と参考資料・文献収集 本研究遂行に必要な機器や資料など研究環境を整備し、まずパソコン、作曲ソフト、専用プリンタ、インク、用紙などを用意した。さらに、小学校・中学校・高校の学校用音楽教科書などを中心に歌の本、歌の学習・生涯学習研究資料などの文献を収集し始めた。 3.受講者用テキスト作成、講座内実験開始 準備した機器、収集した資料・文献を活用しながら、これまでに行なってきた講座研究データに基づき音楽講師と共に講座で使用する実験版受講者用テキストの作成に関する研究・協議・作業に着手し、1冊目の高齢者初級用の「ドレミ入り歌の本」(実験用)を作成し、生涯学習講座で実験を開始した。
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