研究課題/領域番号 |
23653258
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
山田 朋子 中村学園大学, 教育学部, 講師 (50524328)
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キーワード | 幼保連携型認定こども園 |
研究概要 |
本研究は子ども・子育て新システム関連法案の成立に伴う「認定こども園の状況に即し、且つ、自己評価と実習評価を兼ね備えた」保育教諭(仮称)を視野にいれた新たな保育実習評価票の開発が目的である。 当該年度は認定こども園での実習の現状把握を昨年度に引き続き事例的に検討する。さらに現場が保育教諭に求める資質のニーズを検討する。特に認定こども園法の改正により「学校及び児童福祉施設としての法的位置づけを持つ単一の施設、幼保連携型認定こども園」の創立が促進されることを踏まえ、認定こども園4類型(幼稚園型・保育所型・地方裁量型・幼保連携型)の中で「幼保連携型」に焦点をあて事例調査を進めた。 この調査の中で明らかとなった点は、保育士と幼稚園教諭が協働し、多くの園内研修実践を重ねる中で独自の幼児保育文化から保育・教育・養護を総合的にとらえる機会となっていることである。さらに0・1・2歳の乳児保育と3・4・5歳の保育特性を理解することで育ちの連続性を押さえた保育が可能となることが示唆された。また、教員の増加に伴い、仕事内容の分配が可能となり業務効率が上る長所も見出された。 一方、長時間保育に伴い資質向上となる研修の確保が難しいこと、年齢や機能による職員配置の煩雑さが問題として挙げられる。以上を踏まえた保育教諭に求められる資質検討が求められる。幼保連携型認定こども園移行に伴う組織づくりには0歳児から卒園するカリキュラム完成年度までの取組となるため保育の一貫性が培われる6年間におよぶ長期の展望が必要となる。したがって、幼保連携型認定こども園の最大の関心事は事業展開としての組織づくりであり、また保育教諭に求める資質やその保育教諭を養成する実習の重要性に理解はあるが実際の検討課題の優先順位は低いといえる。そのため、保育士養成校が率先して保育教諭養成の視点に立った実習指導を検討する意義が存在する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
子ども・子育て支援法、総合こども園法案、関係法律の関係正義法案の3法案が自公民3党合意を踏まえ平成24年8月成立に伴い、新たな幼保連携型認定こども園の創設が決定した。平成27年度施行を想定した国のスケジュールが示されているものの、財源は消費税率の引き上げによる経済状況の好転が条件とされるなど、未だ流動的であるため、将来を見通した研究スケジュールを立てにくい状況にある。 その中で、保育士と幼稚園教諭、保育教諭に共通する普遍的な幼児教育者としての資質を探る必要があること、認定こども園は特に幼保連携型を中心に研究を進める必要性が出てきた。そのため研究計画の大幅な見直しを迫られているため研究目的の達成度は(4)となっている。 最終年度である平成25年度での方針を早急検討し、研究目的を達成したい。
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今後の研究の推進方策 |
子ども・子育て支援法、総合こども園法案、関係法律の関係正義法案の3法案が自公民3党合意を踏まえ平成24年8月成立に伴い、新たな幼保連携型認定こども園の創設が決定し平成27年度施行を想定した国のスケジュールが示された。しかし財源は消費税率の引き上げは経済状況の好転が条件とされ、未だ認定こども園の具体的な制度設計が不透明であることは否めない。したがって将来を見通した研究目的と研究スケジュールを変更する必要性が生じておりながら計画を立てにくい状況にある。また、該当施設も事業の取組が課題の中心に据えられており保育教諭を養成する視点に至らない現状にある。 その中で、保育士と幼稚園教諭、保育教諭に共通する普遍的な幼児教育者としての資質を探る必要性と、認定こども園4類型の中で特に幼保連携型を中心に研究を進める必要性が出てきた。そこで当初の研究計画の大幅な見直しを迫られているといえる。 本研究の最終年度である平成25年度の研究目的を前述内容に変更し、研究対象を幼保連携型認定こども園を中心にすえ、事例的に実践保育と保育教諭の取組から求められる資質を検討し、既存の実習評価票をもとに新たな実習評価票を開発する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究方法の変更に伴い、現地調査に関する支出を中心とする予算へ変更をする。地域活性化研修会九州大会で新たに開拓をした九州各地の調査対象園や平成19年より幼保連携型認定こども園の実践を重ねカリキュラム完成年度を迎える全国の調査対象園を再抽出してインタビュー調査を実施する。
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