研究課題/領域番号 |
23653263
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
S Kampeeraparb 名古屋大学, 国際開発研究科, 講師 (90362219)
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キーワード | タイ:エジプト:マレーシア / ムスリム / 留学交流 |
研究概要 |
本研究の目的は、タイ人のムスリム留学生を対象に、イスラーム諸国への留学の実態について、送り出し国と受入れ国の相互関係を踏まえて実証的に明らかにし、イスラーム圏を軸とした新たな留学モデルの構築をはかることにある。 第2年次にあたる平成24年度の研究実施計画は、受入れ国マレーシア、エジプトにおける留学交流状況の把握であり、その具体的な課題はタイ人ムスリム留学生の主要受入れ国であるマレーシア、エジプトを対象に、①タイ人ムスリムを対象とした留学交流制度・支援体制の把握し、②送り出し国と受入れ国の相互関係を解明することにあった。 実際に実施したのは、エジプトにおける留学交流状況の把握であり、具体的には、①イスラーム高等教育の実施体制と現状、②ムスリム留学生の受け入れ・支援体制、③タイ人ムスリム留学生の実態、について調査を行い、その状況を解明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画段階においては、マレーシア、エジプトの2カ国について現地調査を実施する予定であったが、調査経費、日程、および調査協力依頼上の問題からエジプト1カ国に絞り調査を行った。エジプトでの調査は当初の目的を達成しており、次年度はマレーシアについて調査を実施する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
エジプトでの現地調査によって得た第一次資料や原語文献等は代表者が収集し、管理を行っている。これらの資料は、必要に応じて翻訳を行い、次年度以降に研究を実施する上で基礎データとして活用する。各担当者は、国内外で入手した資料や文献を精査し、分析を行う。同時に先行研究における先進国-途上国間の留学交流モデル・理論の特色を整理した上で、イスラーム圏の留学交流との異同を検討し、意見交換を通して、本研究における分析枠組みの構築をはかる。
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次年度の研究費の使用計画 |
タイ人ムスリム留学生の主要受入れ国であるマレーシアにおける留学交流状況を把握するため、マレーシアでの現地調査を実施する。調査目的は、①タイ人ムスリムを対象とした留学交流制度・支援体制の把握、②送り出し国と受入れ国の相互関係の解明、の2点である。現地調査にあたっては、研究補助者の謝金も使用する予定である。 加えて、研究の最終年次にあたる平成25年度は、イスラーム圏における留学交流モデルの構築を目的に研究の総括を行う。①先行研究の留学交流モデル分析、②送り出し国と受入れ国の留学交流の実態、を踏まえて成果をとりまとめ、〔イスラーム圏における留学交流モデル〕を示すこととしたい。研究成果については、学会等を通して積極的に発表する。
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