研究課題/領域番号 |
23653268
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高地 秀明 広島大学, 入学センター, 教授 (70403508)
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研究分担者 |
永田 純一 広島大学, 入学センター, 准教授 (70330959)
杉原 敏彦 広島大学, 入学センター, 教授 (00379851)
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キーワード | 高校生の進路選択 / 高校生の進路と保護者の役割 / 高大接続 |
研究概要 |
本研究において我々はこれまでに,日本とオーストラリアにおける調査を主に実施してきたが,これまでに得られた成果を踏まえ,研究計画3年目の平成25年度には,主に米国(ハワイ州)において,2つの公立高校,1つの州立大学,及び教育省が関与している P-20 partnershipと呼ばれる組織に対して,現地においてインタビュー調査を実施し,また資料収集を行った。 その結果,米国(ハワイ州)においては,(1)日本やオーストラリアとは異なり,幼児教育から高等教育までをも包含したP-20と呼ばれる時間軸上で非常に長い視点による教育システムの構築を目指していること,(2)高校ではカウンセラーの役割として,大学進学における奨学金の獲得があること,(3)大学教育の一部(準備教育に通ずる内容)が高校の中で実施されていること,がわかった。(1)のP-20では,育成すべきコアとなる能力が設定され,州内の一斉学力テスト,学校別の卒業率,SATスコア等さまざまな共通指標により評価がなされている。(2)では,日本以上に大学の授業料が高い傾向にあることが原因であるが,カウンセラーの力量は,生徒が奨学金を受給できる大学を探し出してくる,ということにもある。(3)については,米国の多くの州においても同様だが,日本と異なり,特に自然科学の分野では,先端的な学修をより早く提供すべきである,という考えが一般的であった。 これまでに得られている日本と米国の調査結果について,日本高等教育学会において口頭発表を行い,他大学の研究者と議論を行うことができた。また,日本の調査については,先行研究においてもあまりなされていない,生徒とその保護者という親子のペアをベースにした分析を行い,その結果は学術誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は,高校生の進路選択における保護者役割の国際比較であり,すでに,日本,オーストラリア,米国において調査が完了し,得られたインタビューデータやアンケートデータも多く蓄積が為されている。これまでに得られたデータの分析からは,各国の文化的背景が大きな影響力を持つと考えられる一方,大学入試における分野選択の幅の広さの違いや,高校時代に受けるテストの内容,あるいは進路カウンセラーの役割の違い等も,保護者役割の違いに大きな影響を与えていると考えられる示唆が得られている。今後,さらに東アジアにおける日本以外の国の調査を実施し,研究を完了する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度には,東アジア地域の調査として,韓国における高等学校や教育行政関係者に対する現地調査を実施する予定である。この調査を完了することで,東アジア(日本,韓国),米国,そして豪州といった環太平洋地域の異なる国々において,高校生の進路意識における保護者の役割に関して比較検討することが可能となる。本研究の現地調査では,高等学校のみならず,各国における教育行政関係者にもインタビュー調査を実施しており,教育制度やその政策方針の違いについても比較検討が可能である。既に日本,米国,そして豪州の調査結果から得られた特徴的な知見について,韓国での調査結果により検証を進めつつ,新たな知見について詳細に分析を行いたい。以上の調査・分析を実行することで,4年間の研究全体についてまとめを行いたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究の事業期間延長が平成26年3月19日付で承認された。期間延長の理由は次のとおりである。 本研究では,既に日本国内,オーストラリア,アメリカ合衆国(ハワイ州)において,訪問調査等をおこなっているが,東アジア地域での調査が未実施となっている。平成26年度において,全体の調査・分析を完了させる予定である。 9月に東アジア地域の訪問調査を実施し,研究全体の分析・まとめをおこなうことを予定しており,そのための旅費,データ分析,学会発表等の経費として使用する計画である。
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