研究課題/領域番号 |
23653269
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
黒田 則博 広島大学, 教育開発国際協力研究センター, 教授 (80274140)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | Competency / 留学生 / 留学の効果 |
研究概要 |
1.経済協力開発機構(OECD)が開発したKey Competency、大学教育における職業的レリバンス研究、Competencyを伸ばすための学校教育での実践、Competencyによる人事評価など、Competencyに関する文献を幅広く収集し、それを基に留学生が日本での大学教育を通じて身につける可能性があると思われるリストを作成した。2.このリストを基に、それぞれのCompetencyについて、実際に留学生がどれほど重要と考えているかを、質問票により調査した。この調査は、2つのグループの広島大学の留学生を対象として実施した。一つは、外務省の「人材育成研究支援無償」など特定の目的を持った奨学金による学生(回答者41名)で、もう一つのグループは文部科学省のいわゆる国費留学生(前者ほど特定された目的は有していない)(回答者86名)である。3.Competencyは、知識(Knowledge)、技能(Skill)、態度(Attitude)及び価値(Value)の4つのカテゴリーに分類した43項目を提示し、1~4の点数でそれぞれの重要度を評価してもらった。4.その結果、あまり重要とされなかった数項目を削除して、日本留学により開発が期待されるCompetencyとした。また、特定の目的を持って日本で学んでいると考えられる学生(第1のグループ)と、より幅広い目的を持っていると思われる国費留学生との間に、重要とされるCompetencyに関し大きな違いが見られなかったことから、24年度以降の本調査では、調査の範囲を拡大して、両グループを対象とすることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的達成に向けて概ね予定どおり進行している。まず文献調査に基づき留学により開発が期待されると思われるCompetencyのリストの作成を行い、そこに挙げられたCompetencyの項目について、広島大学の留学生を対象に重要度に関する予備調査を行った。以上は、研究計画に予定されていた作業である。加えて念のために、異なる性格を持つものとして当初対象としていなかった国費留学生についても予備調査を行ったところ、同様の結果が得られたので、今後当初の対象を拡大して、研究を進めることとした。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に抽出した、留学により身につけることが期待されているCompetencyが実際習得されたかどうかについて、広島大学の留学生を対象に質問紙調査を行う。その際、留学生のどのような活動がCompetency習得に関わっているかについても調査を行う。この調査は、平成24年度、25年度の2年間継続して行う。当初は、外務省の「人材育成研究支援無償」など特定の目的を持った奨学金による学生のみを対象としていたが、予備調査の結果に大きな違いがなかったことから、いわゆる国費留学生も含めて調査を行う。また、統計調査に加えて学生へのインタビュー調査も行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.学生調査経費(調査票の配付・回収、データ分析)(謝金): 328,000円、2.他大学の留学生等へのインタビュー調査、学会等発表(旅費):300,000円、3.関係文献購入:50,000円、4.コピー用紙等消耗品(一式):22,000円計:700,000円
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