本研究は、留学の成果を個々の留学生の能力(competency)向上の観点から測定しようとするもので、広島大学に1年以上在学する留学生にアンケート調査を行った。以下のような留学の効果の新たな側面が明らかになった。1)大学でより身につきやすいと思われる「知識」や「技能」よりも、責任感、寛容さ、科学技術への信頼など「態度」や「価値]の向上・変化が大きいと感じている。2)授業やゼミなどの大学が提供する活動よりは、レポート・論文作成など主体的な活動が能力向上に最も貢献したと評価している。3)留学中の日常生活も能力向上に大いに関わっており、特に価値の変化については、大きな意味があるとしている。
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