研究課題/領域番号 |
23653283
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
唐木 清志 筑波大学, 人間系, 准教授 (40273156)
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研究分担者 |
宮崎 猛 創価大学, 教職大学院, 准教授 (50440227)
倉本 哲男 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (30404114)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 社会科 / 教師教育 / サービス・ラーニング |
研究概要 |
3年間に及ぶ本研究の初年度にあたる平成23年度は,個人的な情報収集と,研究の方向性を三名の間で共通理解することに主眼を置いた。具体的には,以下の三つの研究活動を実施した。第一に,米国への現地調査を実施した。当初の予定では,三名の共同で実施する予定であったが,東日本大震災の影響で日程調整が不調に終わったため,単独(研究分担者:宮崎)による調査となってしまったが,そこで入手した情報は,三名の間で電子メールを通じて共有された。第二に,三名が協力して,教師教育におけるサービス・ラーニングに関する情報を入手し,それを共有財産とした。すでに各人が蔵書として所有している文献を再整理するとともに,新たに書籍等を購入したり,また,インターネットやデータベース等を活用したりしながら,米国では教師教育にどのような形でサービス・ラーニングが導入されているのか,その実態をつかんだ。実態把握の結果,教師教育にサービス・ラーニングを導入しているケースは多数に及ぶが,社会科教師教育にサービス・ラーニングを導入しているケースはそれほど多くない実態が明らかとなった。しかし,そのように数的には少ないものの,積極的にサービス・ラーニングを導入しているケースでは,日本の社会科教師教育に今後サービス・ラーニングを導入することを構想するにあたり,参考となる視点が少なくないことがわかった。そして,第三に,各人が大学で担当する授業を振り返り,サービス・ラーニングの導入可能性を探究した。探究の結果は電子メール等を通じて共有されたが,その結果,社会科教師教育への導入のためには,克服しなければならない障壁がいくつかあることが再認識された。そして,この障壁をいかに乗り越えていくかを,今後の研究課題とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災の影響で,研究の開始が遅れたため,研究全体の達成度も結果的に「やや遅れている」という状況にならざるをえなかった。海外調査を三名で共同で実施することも日程調整が不調に終わり,結果的に,研究分担者(宮崎)一名による調査となってしまった。倉本(研究分担者)が本年度の予算を使用することができなかったことも,これが大きな原因である。ただ,新年度(平成24年度)に向けての準備をすでに始めており,年度当初に海外出張を実施する予定でいる。この背景には,研究はやや遅れ気味であるが,情報共有は適宜図っており,宮崎が海外出張で入試した情報も,そして,インターネットや個人的に所有している文献に関する情報も,三名の間では共有財産となっていることがある。本年度の反省を生かし,遅れ気味な研究を順調に進めるために,来年度の前半期で,三名の連絡を密にしながら研究を進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
遅れ気味である研究を,当初の予定通りに進めるために,以下のような手順で今後の研究を進める予定である。第一に,米国における現地調査を,平成24年度の前半期に実施する。すでに,6月末に開催される学会に参加する予定であるので,その場で米国の研究者と交流し,また,関連する情報を収集することで,米国における実態を正確につかむ。第二に,米国の実態把握に基づき,日本の社会科教師教育にサービス・ラーニングを導入する可能性を探究する。すでに,平成23年度の段階で,自身の担当する大学の授業に関して,その導入可能性を検討しているので,その検討内容と米国調査でつかんだ実態とを勘案し,より具体的な授業プランの作成へと研究を先に進めたい。その成果は,平成25年度の授業実施へとつながっていくものと思われる。第三に,東京或いは佐賀で三名が参集できる会合を数回開催し(平成24年度及び平成25年度),上記の第一及び第二の研究活動を深めていきたい。その際,可能であれば,お互いの授業を参観・検討し合って,さらなる授業内容の向上に努めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
100万円以上の次年度への繰越金が生じた理由については,「現在までの達成度」で触れたように,東日本大震災の影響で,年度途中まで海外渡航の計画が立てられなかったことによる。この件に関しては,次年度の前半期に3名が海外渡航をし,情報の収集を図る。また,そこで得られた情報は,今年度同様に共有することを予定しているので,今年度の遅れは,次年度で十分にカバーできると考えている。具体的な研究費の使用計画であるが,まず,「旅費」を利用して,海外出張を実施することを計画している。現在のところ,6月に開催される「教師教育におけるサービス・ラーニング」に関する国際学会に参加することは決定しているが,それに加えて,11月に開催される「社会科教育」に関する学会にも参加する予定でいる。また,国内出張も実施する計画である。なお,これに関しては,情報収集を目的とした学会や研究会への参加,そして,三名が東京或いは佐賀に参集して開催される協議会への旅費を念頭に置いている。次に,「物品費」として,今年度に引き続き,サービス・ラーニングの関係図書を購入予定である。研究代表者(唐木)はすでに,米国の博士論文の中で教師教育とサービス・ラーニングを関連付けた論文の購入を考え,書店を通じて発注済みである。また,海外出張の折には,日本では入手困難な図書を購入し,それらを三名の間で共有していきたいと思う。さらには,平成25年度の授業実施に向け,その教材も購入する予定である。そして,最後に,「人件費」を活用し,大学院生を中心とするアルバイトを雇い,これまで入手した文献等の情報を整理していきたいと思う。すでに,文献数は相当数にのぼっているので,その整理には人件費の活用が不可欠である。また,先にふれた協議会への協力,さらには,お互いの授業を参観・検討する折にも,このアルバイトを有効に活用し,情報の整理に努めたいと思う。
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