研究課題/領域番号 |
23653283
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
唐木 清志 筑波大学, 人間系, 准教授 (40273156)
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研究分担者 |
宮崎 猛 創価大学, 教職大学院, 教授 (50440227)
倉本 哲男 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (30404114)
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キーワード | サービス・ラーニング / 教師教育 / 社会科 |
研究概要 |
本年度は,次の二つの研究活動を展開した。 第一に,二度にわたる米国調査を実施し,米国の教師教育におけるサービス・ラーニングの活用方法に関する実態調査を行った。具体的には,まず,6月に米国のデューク大学で開催された“The 3rdInternational Cenference on Service-Lerning in Teacher Education”に研究代表者・唐木と研究分担者・宮崎の2名が参加し,米国の社会科教師教育におけるサービス・ラーニングの活用方法について情報収集を行った。国際学会であったので,米国に限定されずに,世界各国の実情を知ることができた。また,11月には,研究代表者及び研究分担者の3名全員で米国シアトル市における調査を行った。調査場所は,シアトル大学とワシントン大学の二つであった。両校ともに,教師教師にサービス・ラーニングを導入する取り組みを積極的に実施していたため,現地調査において,サービス・ラーニング活用の可能性と課題を知ることができた。 第二に,以上の米国調査を踏まえ,日本の社会科教師教育にサービス・ラーニングをいかに導入できるか,研究代表者及び研究分担者の3名で協議した。その結果,社会科教育法といった教職に関する科目では,教えるべき内容が固定せざるを得ない現状から,同科目へのサービス・ラーニングの導入は,理念や理論の教授といった限定的に取り扱いにならざるをえないことが確認された。その一方で,教育実習関連科目や,講義を中心とした科目であっても比較的自由度の高い専門科目であれば,導入は十分に可能であることも確認された。ただし,その際でも,体験的な活動とその振り返り活動はセットにして,授業を計画することが必要であることを再確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度の研究の遅れを,2年目の研究において取り戻すことができたので,現在までの達成度は「おおむね順調に進展している」と考えている。 ただし,実際に社会科教師教育のサービス・ラーニングを導入するためには,さまざまな課題があることが改めて確認され,どのように実施可能であるか現在検討中である。研究最終年度の3年目には,具体的にサービス・ラーニングを導入した授業を試行する予定であるが,実際には,専門科目等への導入を検討することになると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は研究3年目,つまり,最終年度を迎える。そこで,今後の研究の推進方策として,具体的な授業実施を考えている。 3名の研究代表者及び研究分担者は,それぞれ所属研究機関において,社会科教育に関する講義を担当している。その中で,個別に,サービス・ラーニングの導入の可能性を探り,授業を実施する。授業実施に先立ち,研究会を開催し,授業案を検討する予定である。また,授業実施日には,それぞれお互いに授業を観察し合って,授業後に検討会を実施し,社会科教師教育にサービス・ラーニングを導入する可能性を,改めて検討する予定である。 以上の成果は,学会等において積極的に発表していくことにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は,主として,以下の二点に焦点を絞って使用する計画である。 第一に,研究成果を広く国内外の学会等で発表する予定である。そのための「旅費」に関する研究費が必要になる。 第二に,実際の授業を展開するにあたり必要となる,模造紙をはじめとする消耗品と関連して,「物品費」に関する研究費が必要になる。
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