• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

国の累積債務1000兆円時代における税教育理論の構築とカリキュラム開発

研究課題

研究課題/領域番号 23653291
研究機関三重大学

研究代表者

山根 栄次  三重大学, 教育学部, 教授 (50136701)

研究分担者 猪瀬 武則  弘前大学, 教育学部, 教授 (40271788)
栗原 久  信州大学, 教育学部, 准教授 (00345729)
服部 一秀  山梨大学, 教育人間科学部, 准教授 (60238029)
宮原 悟  名古屋女子大学, 文学部, 教授 (50239430)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード税教育 / イギリス
研究概要

平成24年度から使用される中学校社会科公民的分野の全ての教科書における「財政・税」の記述内容を分析した結果、財政赤字に対する危機感はやや強まっているものの、税と財政赤字に対する基本的な態度は大きく変化していないことが明らかになった。特に、読者である生徒・若い世代が将来にわたって、巨額の国債を税によって払っていかなければならないという記述はなされていないことが分かった。このため、本研究の成果が、次の教科書改訂の時に有効に反映することが確認できた。 税や財政に関する多数の著作を検討し、税・税制に関する基本的な概念・知識が何であるかをおおよそ理解した。特に、課税の公平性、効率性、中立性という概念とともに、多額の国債を累積させることは「世代間搾取」になるという、この研究に役立つ新たな見方を得ることができた。 研究代表者及び研究分担者それぞれの調査分担国における税教育に関する調査を行った。どの国においても、税の内容を社会科系の教科で教えているが、財政赤字についての扱いには相違があった。 研究代表者が分担したイギリスの場合には、近年、生徒に対する税についての知識と意識の調査がなされていて、生徒の税に対する知識が十分でないこと、また、税に対する意識と政府からのサービスに対する期待に矛盾があるということが明らかになった。日本でも、同じ調査をすることの重要性を認識できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度から使用される日本の中学校社会科公民的分野における財政・税についての記述の分析がほぼ終了した。 研究代表者と研究分担者のそれぞれが担当している調査国の学校における税教育についての調査が、一部、当該国の事情(カリキュラム改訂中)により滞っているが、ほぼ順調に進行している。 税と税制、財政についての基本的な概念の検討・確認がほぼ終わった。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画の通りに、新たな税教育理論の構築を研究代表者と研究分担者がディスカッションし、協同して進めていく。その過程で、イギリスの学校において生徒に対して行われた「税に関する意識・知識」の調査と同じ調査項目について、日本の生徒と大学生に対して調査を行うこととした。これによって、日本の生徒と大学生の税に関する知識と意識の状況を把握し、イギリスの調査と比較し、とくにどの点に日本の生徒と大学生の特色があるかを明らかにする。その上に立って、税教育についての新たなカリキュラムを開発し、それに基づいて授業実践を行ってもらい、そのカリキュラムの有効性を検証する。

次年度の研究費の使用計画

生徒と大学生に対する「税に関する意識・知識」の調査の費用として、23年度未使用額を使用する。次年度は、特に、生徒と大学生に対して「税に関する意識・知識」調査を行うために、調査票の翻訳・作成・印刷のために、おおよそ30万円を使用する(翻訳を確定するための研究打ち合わせと、調査票の印刷費を含む)。また、税教育理論の構築とカリキュラム開発の作業・ディスカッションをするための研究打ち合わせ(旅費と会議費)をおよそ20万円を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ドイツの中等公民的教科目における税の取り扱い

    • 著者名/発表者名
      服部一秀
    • 学会等名
      社会系教科教育学会
    • 発表場所
      兵庫教育大学
    • 年月日
      平成24年2月18日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi