研究課題/領域番号 |
23653295
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山口 健二 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (90273424)
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キーワード | 伝統文化 / 鑑賞 / 教材研究 |
研究概要 |
岡山県立美術館では平成22年度「美術館と学校の連携委員会」を組織し、同館の伝統文化コレクション普及のため、水墨画・備前焼を中心とする学習素材のポータブル化(アートトラベリングトランク、以下「トランク」と略称)と拠点校への配備を進めてきた。本研究費を受け、平成24年度は、(1)「トランク」のヴァージョンアップ、(2)「トランク」配備校の中核教員(=ハブ教員)の教材研究支援、(3)岡山県教育センターでの研修を通じた教員ネットワークの構築の3点にわたり実績を残し、これらについては日本美術教育学会および美術科教育学会にて成果を報告した。 また本年度開始の課題である、わが国の伝統文化の海外普及の可能性の検証については、アメリカ合衆国のJapan SocietyおよびGreenwich Country Day Schoolを訪問し、25年度のワークショップ実施に向けた準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(2)「トランク」配備校の中核教員(=ハブ教員)の教材研究、および(3)教員ネットワークの構築については、夏季休業期間に実施した研修および配備校での校内研修等の機会に利用し、支援体制を整えた。またその成果報告として最終年度にむけて準備していた学会発表を前倒しで実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究の方向性については、大きく二つに分かれる。第一は、23、24年度と継続してきた課題の最終確認である。(1)「トランク」のヴァージョンアップ、(2)「トランク」配備校の中核教員(=ハブ教員)の教材研究支援、および(3)教員ネットワークの構築がこれに相当する。完成年度である25年度は、26度以降の継続性をいかに確保するのかという問題を中心として、総括を試みる。 第二に相当するのが、「トランク」を活用したわが国の伝統文化の海外普及の可能性の検証である。これが本研究の当初設定した課題のうちで、唯一残されたものである。本年度構築した研究協力体制を前提に、海外ワークショップの企画・実施・検証を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
「今後の研究の推進方策」で示したとおり、当初設定した課題のうちで残されたのが、わが国の伝統文化の海外普及の可能性の検証である。本年度の研究費の使用は、多くがこの課題にかかわるものとなろう。より具体的に述べれば、海外ワークショップの実施およびその事前折衝に向けた海外渡航費を多く計上する予定である。
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