本研究は,「NIE学」独自の研究方法論の解明と日本型NIE学習の理論化を図るという研究目的を実現するために,具体的には次の3点について研究を行う。第1に,日本国内の優れたNIE実践家を訪問して聞き取り調査を行い,資料の発掘・収集を行うこと 。第2に,NIE先進地域といわれている北米,ヨーロッパ,北欧の諸国を訪問し,関係者へのインタビューを行うとともに,カリキュラム等を収集すること。第3に,収集した資料の分析とそれらの国際比較を行い,そのことを通して,日本型NIE独自の理論の抽 出と「NIE学」の研究方法論の解明を行うこと。そのために,最終年度である平成25年度の研究では,次のような計画・方法で研究を実施した。 まず,静岡市で開催されたNIE全国大会および名古屋市で開催された第10回日本NIE学会名古屋大会に出席し,優れたNIE実践家からの聞き取り調査を継続実施するとともに,資料収集を行った。次に,NIE先進地である英語圏でないヨーロッパ(特にフランスとフィンランド)の関係者を訪問し,聞き取り調査を行うとともに,カリキュラム等の資料収集を行った。また,韓国大田広域市で開催された韓国におけるNIEの全国大会に参加し,優れたNIE実践家からの聞き取り調査を行った。更に,インターネットを活用して,米国の新聞社が開発したNIEレッスンプランや英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドのNIEレッスンプランの特色を抽出し,その背後にある学習論の分析を行った。最後に,本年度の研究内容を整理して日本NIE学会誌に論文を投稿するとともに,3年間の研究成果をまとめ研究成果報告書を作成した。
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