本研究は、国際的な研究を行うために、世界の代表的シティズンシップ教育研究者を集め、評価計画を策定し、学校パイロット研究として実施し、その効果を検証し、次のIEAシティズンシップ教育研究のアジェンダを作成することを目的としていた。(1)平成23-24年の2ケ年で実施し、(2)評価研究の真価を高めるために、シティズンシップ教育の評価研究領域を限定し、(3)より詳細なデータ収集を可能にするために、(4)10ケ国・地域に限り、(5)確立した評価方法を実施、(6)効果の比較検討を行う。その過程で、(7)評価方法と評価規準を実証・実験的に確立するものであった。 平成23年度の成果を基に、平成24年度は、①学校パイロット研究結果を比較し検討し、②研究成果をアジェンダとしてまとめ、③IEAに報告することにしていた。主に、5月3-5日の韓国小学校訪問、9月23日の韓国での社会科教育学会の研究交流、11月14-18日アメリカ社会科教育学会にて、情報交換と各学校シティズンシップ教育とその評価を行った。また、9月8ー9日の国際会議にても、各地域の学校シティズンシップ教育の比較検討を行った。とりわけ、広島県府中市立明郷小学校・中学校、および、福山市立曙小学校、福岡市立赤坂小学校、韓国、ソウル市ションネ小学校、アメリカハワイのワイキキ小学校、シアトル、ジョンスタンフォード小学校の学校教育とシティズンシップ教育の実情とその成果を評価した。 その結果、次の3つの課題が明らかになった。①各学校はそれなりの成果を上げているが、各々異なったものであり、②各国・地域の実情に合った評価基準の設定が必要であること、③2-3年の長期の観察とその評価が必要であること、である。さらなる研究発展が必要であることが明らかになった。その成果をIEAシティズンシップ教育研究に反映すべきである。
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