研究課題/領域番号 |
23653303
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
谷口 雅基 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 教授 (90163633)
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研究分担者 |
蒲生 啓司 高知大学, 教育研究部総合科学系, 教授 (90204817)
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キーワード | 異文化理解マインド / 国際教育実習 / 英語が使える日本人 / 環境教育 / 国際人育成 |
研究概要 |
本研究の目的は、文部科学省が推進する「英語が使える日本人」として幅のある教員を養成するために、国際教育実習を通して異文化理解マインドを創出することにある。将来教員を目指す学生が、(1)国際文化交流、環境教育の重要性を認識し、それを活かした教育現場づくりを心掛ける教員になるべく、教育実習を外国で行い、国際交流に貢献しながら異文化理解を学び、(2)英語科の教員に限らず、英語が使え、専門性、人間性の向上を図り、宗教の違い、文化の違いを尊重する異文化理解マインドを持つ真の国際人たる教員を育成することにある。本研究目的遂行のため、平成24年9月10日から14日まで、研究代表者が、学生5名を同伴し、中国安徽省安徽大学にて英語にて国際教育実習、交流会、観察実習を実施した。まず約100名の安徽大学学生を対象として、研究代表者が英語のリズムとイントネーションについて英語で講義し、続いて、高知大学学生5名と安徽大学学生5名がそれぞれ日本語・日本文化および中国語・中国文化について発表を行い、交流を深めた。また、時間の許す限り、安徽大学の日本語・英語の授業を観察し、日本語が日本語で教えられ、英語が英語で教えられている現状に感激し、また教員も学生もネイティブ並みの発話速度で対象言語を操っていることに敬服し、多くのことを学んだ。さらに平成25年2月26日から3月3日まで、研究代表者が、ベトナム国ロモノソプ初等中等高等学校を訪問し、当該校におけるこれまでの国際教育実習について反省会を開催するとともに、これからの国際教育実習計画について協議した。また研究代表者は当該校において日本語と英語のリズムの模擬教育実習授業を実施し、ベトナム人日本語学習者と英語学習者のリズム学習の特徴について研究資料収集を行った。またベトナム国の文化、歴史の教材作成資料を収集した。平成25年2月14日に国際教育実習報告会を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度において、高知大学教授1名が同大学教育学部学生5名を引率して、中国安徽大学において国際教育実習と交流を実施し、参加学生すべてが、国際共通語としての英語の重要性と異文化理解、国際協調、世界平和への努力の重要性を痛感する内容のレポートを提出し、国際教育実習報告会においても同様のプレゼンテーションを披露した。本研究の目的であるところの文部科学省が推進する「英語が使える日本人」として幅のある教員を育成し、国際教育実習を通して異文化理解マインドを創出し、将来教員を目指す学生が、(1)国際文化交流、環境教育の重要性を認識し、それを活かした教育現場づくりを心がける教員になるべく、教育実習を外国で行い、国際交流に貢献しながら異文化理解を学び、(2)英語科の教員に限らず、英語が使え、専門性、人間性の向上を図り、宗教の違い、文化の違いを尊重する異文化理解マインドを持つ真の国際人たる教員の育成へ向けて大きな効果があった。特に中国における主なコミュニケーションの手段として用いた英語の重要性が認識されたのみならず、正しく通じる英語を用いて話したり書いたりすることの重要性が認識されたことは、大きな成果であった。また文化と文化の間には、類似する部分と異なる部分があること、お互いに認め合うことの大切さ、そして同じ地球上に共存する人間同士として仲良く生きていくことの大切さが認識されたことこそ大きな成果であった。1週間毎日出勤して、高知大学学生と安徽大学学生がそれぞれ発表を行い、交流を深め、時間の許す限り、安徽大学の授業を観察し、日本語が日本語で教えられ、英語が英語で教えられている現状に感激し、また教員も学生もネイティブ並みの発話速度で対象言語を操っている様子に感激したことも、教員を目指す高知大学学生の将来の教育者としての姿勢に大きく影響を及ぼす経験になったことと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度においても研究代表者と学生が、中国安徽省の安徽大学にて国際教育実習を実施するとともに、安徽大学の教員および学生を高知大学へ招聘し、高知大学において国際教育実習および国際交流会を開催することによって、相互国際教育実習を実現し、文部科学省が推進する「英語が使える日本人」としての幅のある教員を養成し、国際教育実習を通して異文化理解マインドを創出する。また、将来教員を目指す学生が、国際文化交流、環境教育の重要性を認識し、それを活かした教育現場づくりを心がける教員になるため、教育実習を外国にて行い、国際交流に貢献しながら異文化理解を学び、英語科の教員に限らず、英語が使え、専門性、人間性の向上を図り、宗教の違い、文化の違いを尊重する異文化理解マインドを持つ真の国際人たる教員として活躍することに貢献する。安徽大学および高知大学における相互国際教育実習の題材としては、日本語、日本文化、日中文化比較、外国語として学ぶ英語、世界遺産と環境教育を予定している。特に安徽省と高知県の間には姉妹県交流活動が盛んであり、毎年環境保護のため、高知県から安徽省へ植樹ボランティアツアーが催行されている。研究代表者は学生とともに安徽省へ植樹ボランティアとして訪問した経験を持つ。この経験をも活かして国境のない友好関係をつくっていくことになる若者同士のこころとこころの触れ合い交流に貢献し、真の世界平和へ一歩でも前進できるよう、国際教育実習を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度に繰越した研究費は、予定していた環境教育用実験器具がメーカーの都合により調達できず、代替品の注文ができなかったことによるものである。24年度の基礎研究を25年度も引続き継承して行なうためにも、本繰越し分を25年度の基礎実験器具購入費に充当する予定である。
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