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2013 年度 実績報告書

ADHD児の「興味の多様性」を活かした漢字の書字支援がキャリア教育に及ぼす効果

研究課題

研究課題/領域番号 23653311
研究機関福島大学

研究代表者

鶴巻 正子  福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (40272091)

研究分担者 仁平 義明  白鴎大学, 教育学部, 教授 (10007833)
キーワードADHD / 漢字 / 書字 / キャリア教育
研究概要

ADHD(注意欠陥多動性障害)のある子どもは落ち着きがなく,読み書きや算数・数学など学業に遅れが生じ自己評価が下がり二次障害に進行するおそれがあるなど,負の循環の視点から理解されることが多い。本研究課題ではこのネガティブな見方を逆転させ,「興味の多様性」として捉え直し,それをADHDの子どもが困難を抱えやすい漢字学習に活かすことで,小中学生のキャリア教育の「自己形成」にどのような影響を及ぼすか明らかにすることを目的とした。教師や保護者へのアンケート調査や聞き取りにより興味の多様性をとらえることを試みたところ,特別支援学校や特別支援学級において担任経験のある教師は子どものささやかな発達や成長のあらわれ,障害特性を含んだ活動に対しても,子どもが楽しそう・うれしそうと感じている活動として共感的な視点から肯定的に見ていることが明らかになった。漢字の書字に対する個別指導を通しては,書字について苦手意識や拒否感情を持っている通常学級在籍のADHDやASD(自閉症スペクトラム障害)の子ども達は,自分で作る漢字の書字問題に興味を持って取り組むことが明らかになった。あわせて漢字や図形の模写における視線追跡の調査を行った。また,子どもの漢字書字に対する教師の評価では,特別支援教育の経験の有無や教師の性差により漢字の書字エラーの評価に差が生じる可能性があることが示唆された。漢字の教示方略では漢字の細部のエラーを修正するためには修正の留意点を子ども自身が自己記録する方法や指導者から直接言語的教示を受ける方法が有効であるなど,課題に焦点をあてた個別指導の重要性が示唆された。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (8件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 教育相談「わかば教室」における発達障害児への漢字の書字支援2013

    • 著者名/発表者名
      鶴巻正子
    • 雑誌名

      福島大学総合教育研究センター紀要

      巻: 第15号 ページ: 43-50

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 発達障害児における漢字の書字-漢字書字の細部エラーに対する教師の評価に影響を及ぼす要因-2013

    • 著者名/発表者名
      玉木宏樹・鶴巻正子
    • 雑誌名

      福島大学総合教育研究センター紀要

      巻: 15 ページ: 69-76

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 急速反復書字によるスリップの発生メカニズム:ADHD傾向のアナログ研究2013

    • 著者名/発表者名
      仁平義明
    • 雑誌名

      白鴎大学教育学部論集

      巻: 7 ページ: 127-141

    • 査読あり
  • [雑誌論文] “サイバーいじめ”に関する研究の動向―対応のためのエビデンス―2013

    • 著者名/発表者名
      仁平義明
    • 雑誌名

      白鴎大学情報処理教育センター年報

      巻: 6 ページ: 1-7

    • 査読あり
  • [学会発表] 知的障害児の興味を考慮した音読指導の予備調査-「なぞなぞ」を用いて-2014

    • 著者名/発表者名
      朴香花・鶴巻正子・高橋純一
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第52回大会
    • 発表場所
      高知大学
    • 年月日
      20140920-20140922
  • [学会発表] 発達障害児における書字課題と教示方略の違いによる書字反応への効果2013

    • 著者名/発表者名
      玉木宏樹・鶴巻正子
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第51回大会
    • 発表場所
      明星大学
    • 年月日
      2013-08-30
  • [学会発表] 発達障害/発達障害が疑われる児童の心的操作に関する予備的検討2013

    • 著者名/発表者名
      高橋純一・玉木宏樹・鶴巻正子
    • 学会等名
      日本認知心理学会第11回大会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2013-06-29
  • [学会発表] 発達障害幼児のための個別の指導計画作成-作成経験のない学生が感じる困難さ-

    • 著者名/発表者名
      米沢祐子・鶴巻正子
    • 学会等名
      東北心理学会第67回大会
    • 発表場所
      東北工業大学
  • [学会発表] 個別の指導計画をはじめて作成する学生への支援の効果―目標設定と支援方法の立案に対するヒント集の活用―

    • 著者名/発表者名
      米沢祐子・鶴巻正子
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第51回大会
    • 発表場所
      明星大学
  • [学会発表] 12の障害の”いじめ被害発生率“のちがい―ブレイクたちによる全米大規模追跡調査の分析―

    • 著者名/発表者名
      仁平義明
    • 学会等名
      第5回東北ADHD研究会
    • 発表場所
      福島大学
  • [学会発表] 発達障害者の顔認知―Embedded Faces Test (EFAT)作成の試み―

    • 著者名/発表者名
      仁平義明
    • 学会等名
      科研費合同シンポジウム「発達障害や気になる様子の理解―幼児から大学生まで―」
    • 発表場所
      いわき明星大学
  • [学会発表] 発達障害児への漢字の書字支援

    • 著者名/発表者名
      鶴巻正子
    • 学会等名
      科研費合同シンポジウム「発達障害や気になる様子の理解―幼児から大学生まで―」
    • 発表場所
      いわき明星大学
  • [備考] わかば教室漢字支援システムe-支援

    • URL

      http://t-lab.educ.fukushima-u.ac.jp/teach/login

  • [備考] 福島大学人間発達文化学類特別支援クラス

    • URL

      https://www.ad.ipc.fukushima-u.ac.jp/~h034/

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公開日: 2015-05-28  

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