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2013 年度 実績報告書

ファイバー構造を持つ小平次元0の極小モデルの構成

研究課題

研究課題/領域番号 23654002
研究機関北海道大学

研究代表者

松下 大介  北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90333591)

キーワード極小モデル
研究概要

アーベル多様体の族の相対コンパクト化について成果を得た. 多重円盤と穴あき円盤の直積上に滑らかなアーベル多様体の族があり, なおかつ族が射影的であるものが与えられたとする. このとき, 穴あき円盤の穴を埋めたものは, 全体としては, ひとつ次元があがった多重円盤となるが, この拡張した多重円盤全体に元のアーベル多様体の族を拡張出来るか?という問題は自然なものでありながら, 複素解析幾何の立場からは満足すべき解答はこれまであたえられてこなかった. 昨年度までに, この問題に対し, 与えられた族の双対にあたる族を考え, その族の延長を構成することに成功していたが, 今年度はもともとの族の延長で極小モデルとなっているものを構成することに成功した. こうしたことが可能であることは 1980 年代からある論文において述べられていたが, 満足する証明なしに主張が述べられてるため, この方向のいくつもの研究に不自然な技術的な仮定がつけられた形で止まっているものが少なくない. この成果はこれらの研究成果から技術的な仮定を取り除き, 理想的な形にすることに役立つのみならず, 研究課題であるの主目標の一部である, アーベル多様体をファイバーとするファイバー構造を持つ極小モデルの構成に役立つことと思われる. 具体的な例としてあげられるのは Lagrangian fibration で滑らかなものはこれまでいくつか構成されているが, それをコンパクト化したものが構成出来る, ひいては新しいシンプレクティック多様体の具体例が得られるなどの応用が見込まれる.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] On almost holomorphic Lagrangian fibrations2014

    • 著者名/発表者名
      Daisuke MATSUSHITA
    • 雑誌名

      Math. Ann.

      巻: 358 ページ: 565-572

    • DOI

      10.1007/s00208-013-0964-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Zariski decomposition and Lagrangian fibration on HyperKahler manifolds2013

    • 著者名/発表者名
      Daisuke MATSUSHITA, De-Qi Zhang
    • 雑誌名

      Math. Res. Lett.

      巻: 5 ページ: 1-9

    • 査読あり
  • [学会発表] On base manifolds of Lagrangian fibrations

    • 著者名/発表者名
      松下大介
    • 学会等名
      代数多様体のトポロジーとその周辺
    • 発表場所
      札幌, 北海道大学
    • 招待講演
  • [学会発表] On base manifolds of Lagrangian fibration of singular symplectic manifolds

    • 著者名/発表者名
      Daisuke MATSUSHITA
    • 学会等名
      Symplectic Algebraic Geometry
    • 発表場所
      京都, 関西セミナーハウス
    • 招待講演
  • [学会発表] On the dual fibration of a Lagrangian fibration

    • 著者名/発表者名
      Daisuke MATSUSHITA
    • 学会等名
      Moduli spaces Lille 2014
    • 発表場所
      Lille France
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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