研究概要 |
代数幾何学的な方法によってシーゲル保型形式の空間に作用する、ヘッケ作用素の跡(トレース)を計算する方法を開発して、ジーゲル保型形式の研究を大いに発展させるという、大変挑戦的な研究であったが、この研究に対して3年という期間は短かったというのが結論である。現在、この研究は中断しており、ジーゲル保型形式の研究者達からの要請に基づいて、3次のジーゲル保型形式およびヤコビ形式の次元公式の計算に力を注いでいる。この計算については、次の3つの論文で方法は確立されており、 R. Tsushima, A formula for the dimension of spaces of Siegel cusp forms of degree three, Amer. J. Math., 102 (1980), 937--977 R. Tsushima, On the spaces of Siegel cusp forms of degree two, Amer. J. Math., 104 (1982), 843--885 R. Tsushima, An explicit dimension formula for the spaces of generalized automorphic forms with respect to Sp(2,Z), Proc. Japan Acad. Ser. A, 59 (1983), 139--142 さらに、Sp(3,Z)の有限位数の元の共役類の分類については既に完成されている(H氏による)ことから、相当時間と労力を要する研究であるが、完成する見通しはついている。
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