研究課題
結晶のミクロ構造を単純化した数理モデルとして結晶格子を考え、その標準的実現により原子配置が定まる物質の物性と幾何構造の関係を調べるという研究目的に沿って、下記の項目に関して研究を行い、成果を得た。トポロジカル絶縁体に物質の幾何構造がどのように反映するかを様々な幾何を用いて解析するという 研究目的に基づき、固体物理で注目されているバルクーエッジ対応の理解に努めた。1)Schultz-Baldes, Villegas-Blasとの共同研究をおこない、非可換幾何学を用いてランダムポテンシャルがある場合に理論を拡張し、2つの物質の界面に流れる界面流を、物質のチャーン数(C*環の)の差で表した、2)古田、林、窪田、松尾、佐藤との共同研究を行い、より一般的な設定でバルクーエッジ対応が成立する背景となる上位概念であるギャップインデックスを発見し、バルク指数、エッジ指数がそのGysin写像による押し出しであることを解明、3)内藤、田上との共同研究を行い、3重周期、Octahedral対称性をもつ負曲率カーボン材料の安定構造を分類し、その電気伝導性を調べた。3月に海外から研究者を招へいし、トポロジカル相に関する勉強会を開催し、理解を深めることができた。赤間氏が中心となり物理化学の福村研と相分離の初期段階の観測と数理モデルの検証を行った。構造化照明によって、解像度限界を超える微細構造の観測に成功し、初期段階の相分離が通常の数学モデルに沿わないことを解析した。その現象を説明するモデルをシミュレーションで確認した。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件)
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