1. 定スカラー曲率ケーラー計量の方程式は Monge-Ampere 方程式ではないが,Monge-Ampere energy 汎関数の臨界点であることから Monge-Amoere 方程式への帰着が何らかの意味で可能なのではないかと思われる.偏極一般の設定でケーラーポテンシャルの空間 H の力学系で,修正ケーラーリッチ流,すなわちリッチ流の右辺に現れるリッチ形式の(-1)倍にケーラー形式を加えるとい形を,リッチ形式の(-1)倍にリッチ形式の調和部分を加えるという形に変更して得られる時間発展方程式を時間離散化するものを次のように導入あいた.ω のリッチ形式プラス ddc u の ω に関するトレースが定数になるように関数 u をとり,未知関数 φ に関する Monge-Ampere 方程式 Ric(ω+ddc φ)=Ric(ω)+ddc u を解く.すると空間 H の力学系 ω→ ω+ddc φ が定義される.この力学系が修正ケーラーリッチ流を離散化するものである.今後,この力学系にそって k energy がどのようにふるまうかを研究する.初期計量 ω を出発する力学系が(問題の偏極が定スカラー曲率ケーラー計量を許容するとき)繰り返し無限大の極限で定スカラー曲率ケーラー計量に収束するかどうかを研究する.なお,この問題は Berman の KE metric の熱力学形式を偏極一般化する試みと解釈できる. 2. 代数的極小曲面の値分布に関する Osserman 理論の計量化を構築する研究が最終段階を迎えている.放物型変換が惹き起こす局所化現象を発見し,そのネヴァンリンナ理論的記述を与えた.また,周期条件を encode する不変被覆面上の関数を構成し,それに働く対数微分の補題を代数的という条件を駆使して2種類用意して情報を引き出すしくみをつくった.
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