研究課題
3 次元負定曲率空間 M において,次の定理を得た.定理.3 次元 Poincaré 球 B: x^2+y^2+z^2ここで,領域 D_± は [0,1] 上のある関数 y = f(x) で (0,1) 上正値,f'(0) = c, f'(1) = -∞ なるものを用いて y^2+z^2 < f(|x|)^2 と表される.この定理は Euclid 空間における極小曲面に関する対称錘定理の 3 次元負定曲率空間へのもっとも自然な拡張であると考えられる.
2: おおむね順調に進展している
研究実績の概要で述べたように,Euclid 空間における極小曲面についての非連結性定理を自然な設定で負の定曲率空間における有限平均曲率曲面の非連結定理に拡張することができた.
現在の結果は 3 次元に限るので,まずこれを高次元に拡張する.また任意個数の閉曲線の場合に拡張する.ついで,負の断面曲率をもつ一般の Riemann 多様体において今までの結果を拡張する.基本的な方針は,1 つの測地線に直交する測地線群によって多様体に座標を入れ,その座標を用いて定曲率空間と同様な評価を得ることである.
幾何学関係図書および解析学関係図書を購入する.また,研究打ち合わせのための旅費を支出する.