研究課題/領域番号 |
23654029
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
原田 昌晃 山形大学, 理学部, 准教授 (90292408)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 自己双対符号 / 格子 |
研究概要 |
代数的符号理論の重要な対象としてdoubly even self-dual code があり、各長さにおいて minimum weight が Mallows-Sloane による上限に一致する場合、extremal とよばれる。長さ 72 の extremal doubly even self-dual code の存在は分かっていない。本研究の主目的は、この code の構成にチャレンジすることである。長さ 72 の extremal doubly even self-dual code の構成に取り組むために、今までに知られている構成方法の確認を行った。また lattice や頂点作用素代数においては self-dual code とパラレルな結果が成立することが知られており、そこでどのようなことが成り立っているかを考察するのが役立つはずで、今年度は lattice や頂点作用素代数に関する専門知識を得ることを行なった。特に、本研究のターゲットである code と同じように存在の分かっていなかった 72 次元の extremal even unimodular lattice の構成が Nebe によって行なわれたので、その構成方法について考察を行なった。今年度得られた主な結果としては、上記の 72 次元の extremal even unimodular lattice の構成の考察から同じく存在の分かっていなかった 72 次元の optimal odd unimodular lattice の構成が出来たことである。この lattice は位数 8 の整数の剰余環上の self-dual code から構成することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
長さ72 の extremal doubly even self-dual code の構成に取り組むために、今までに知られている構成方法の確認を行った。また lattice(格子)や頂点作用素代数においては self-dual code とパラレルな結果が成立することが知られているので、lattice や頂点作用素代数に関する専門知識を得ることを行なった。特に、code の場合と同じように存在の分かっていなかった72次元の extremal even unimodular lattice の構成が Nebe によって行なわれたので、その構成方法について考察を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である本年度は、昨年度に得られた結果を基にして長さ72の extremal doubly even sef-dual code の構成にチャレンジする。Nebe によって行なわれた72次元の extremal even unimodular lattice の構成を参考にして構成に試みる。 また、整数の剰余環上の extremal Type II code の構成にも取り組み、その結果から得られるものを考察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、申請書に書いた通り、Intel Xeon のサーバーを購入することで計算機による本格的な探索を行なう。物品費の多くはサーバーの購入費に充てる。今年度は、計算機としては現有のものを使用したために予定していた物品を購入しなかったので、次年度の研究費と合わせて性能の良い上記サーバーを購入する。連携研究者などとの研究打ち合わせのために旅費を使用する。旅費は、研究成果の公表のためにも使用する。旅費については、研究打ち合わせの回数が予定より少なく残額が生じたので、残額については今年度の旅費として使用する。
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