研究課題/領域番号 |
23654034
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
磯 祐介 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70203065)
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研究分担者 |
久保 雅義 京都大学, 情報学研究科, 講師 (10273616)
藤原 宏志 京都大学, 情報学研究科, 助教 (00362583)
大石 直也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40526878)
今井 仁司 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (80203298)
東森 信就 一橋大学, 経済学研究科(研究院), 講師 (10397573)
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キーワード | 数学一般 / 応用数学 / 数値数学 / 数理モデル / 応用解析 / 数値解析 / 逆問題解析 / 光トモグラフィ |
研究概要 |
逆問題解析において、対象の現象を記述する数理モデルとしての微分方程式に対する数学解析による理論的研究と、工学視点による開発指向の応用逆問題解析の研究では、成果に相違があることはよく知られている。偏微分方程式の逆問題の殆んどは数学的には非適切 (ill-poses) であり、これは安定で信頼できる数値計算が行なえないこをとを意味している。しかし一方で、幾つかの非破壊検査やトモグラフィ等の応用逆問題では、実用に供する程度の近似解が求められて成果を挙げている。この相違をモデル化誤差の観点から深く掘り下げることにより、未来技術の一つである光トモグラフィ (DOT) の基礎研究の充実を図ることを目指して成果を挙げた。 現象の数理モデル化ではモデル化による誤差が不可避であるが、数理モデルから出発する数学解析ではこの誤差は考慮外となる。このモデル化誤差の解析に焦点を当rて、光トモグラフィを中心に応用指向の逆問題の研究を行なった。生体内の光伝播の数理モデルとして「輸送方程式」の扱いがこれまでは困難であったことから、近似モデルとして拡散方程式による逆問題解析が一般的であるが、これまでの議論の問題点を明らかにした。特に拡散モデルと輸送方程式モデルでデータの混同があることを突き止め、「常識」化しているこれまでの基礎的知見に問題があることを指摘するに至った。また関連して、生体内の光伝播の数値シミュレーションについて、信頼性の高い数値解析手法を数値解析理論に基づき確立した。
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