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2011 年度 実施状況報告書

非平衡成長パターンを実現する疑似解と方程式集合の構成

研究課題

研究課題/領域番号 23654042
研究機関明治大学

研究代表者

二宮 広和  明治大学, 理工学部, 教授 (90251610)

研究分担者 上山 大信  明治大学, 理工学部, 准教授 (20304389)
若狭 徹  九州工業大学, 工学研究院, 准教授 (20454069)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード国際研究者交流(台湾) / 国際情報交流(アメリカ合衆国・フランス) / パターン形成 / 疑似解 / 反応拡散系 / 進行波
研究概要

本課題の今年度の研究では,FitzHugh-Nagumo方程式に見られるようなパターンの疑似解として,wave front interaction modelを用いた.このモデル方程式は,FitzHugh-Nagumo方程式の解の遷移層を近似するものとなっている.この解をFitzHugh-Nagumo方程式の疑似解として,解の構成を行っている. まず,円盤上での回転化学波を近似する研究を行った.J.-S. Guo,C.-C. Wuと共同研究により「Existence of rotating wave pattern in a disk for wave front interaction model」をまとめ,現在,Communications on Pure and Applied Analysisに投稿中し,掲載予定である.円盤上で一定速度で回転する形をもった解の構成およびその一意性を議論している.ここでは,モデル方程式は,フロント波とバック波に分かれている.FitzHugh-Nagumo方程式の回転疑似解となっていることになる.回転速度を決めると,興奮性が一意的に決まり,回転疑似解の存在が示される.ここでは,フロント波が凸であることが条件となっている. 次に,平面上でのスパイラル波の構成へと発展させる研究をJ.-S. GuoおよびY.-Y. Chenと共同で行い,現在,論文を執筆中である. 進行波解の研究の発展として,階段状の解の構成を行った.これは,M. IidaおよびR. Luiとの共同研究で,解の値(レベル)によって,伝播速度が異なるような方程式および解の構成を行っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

FitzHugh-Nagumo方程式の疑似解の構成に成功している.また,この疑似解を用いて,別の形状への発展を考察できているため,おおむね順調に進展していると判断している.しかし,疑似解を構成するために,wave front interaction modelを用いている点で,近似解の構成に近い点があるが,申請時の計画での申請時の計画にあるStep 3「方程式系の導出過程から疑似解の構成へのフィードバック」から始めている状態である.Step1「疑似解の構成」,Step2「疑似解のみたす方程式系の導出」については,いくつかの試みを行っている途中であり,まだ成功しているとは言えない.中間的な方程式の利用という新しい方法によって疑似解の構成できており,有効な点も多いと思われる. 一方,これらの研究を通して,新たな方向性も見えてきた.特定のパターンを形成する方程式の構成には,工学応用も多いことが分かってきた.

今後の研究の推進方策

平成23年度における成果を受けて,解形状から中間的方程式系の導出への発展が必要である.つまり,wave front interaction model のような類似方程式の構成を行う.また,Step 1「疑似解の構成」からStep 2「疑似解のみたす方程式系の導出」も同時に進めていく必要がある.いくつかの試みをできるだけ早い時期に更に進めて,類似方程式の構成と合わせて,Step 3「方程式系の導出過程から疑似解の構成へのフィードバック」,Step 4「方程式集合のみたす特徴付け」への足がかりとしたい.また,平成23年度の研究から分かってきたこととして,「特定のパターン形成する方程式の構成」が応用上も重要であることが分かってきた.この方面への研究も進めていく予定である.

次年度の研究費の使用計画

数値計算に必要な計算機の購入を行う.出張での利便性を考慮して,ノード型パソコンの購入を行う.また,海外の研究者 J.-S. Guo教授(淡江大学・台湾),C.N. Chen教授(彰化師範大学・台湾)などの招聘を通して,専門的な知識の提供を受け,新しい研究の方向を討論する. また,分担者が大学を移動になったため,研究打ち合わせを行う必要がある.そのための交通費も必要となる.また,インターネット電話や電子メールなども併用して,できるだけ効率的に研究を進めていく. 研究成果発表のため,海外への出張も行う予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Fast reaction limit of a three-component reaction-diffusion system2011

    • 著者名/発表者名
      H. Murakawa and H. Ninomiya
    • 雑誌名

      Journal of Mathematical Analysis and Applications

      巻: 379, No.1 ページ: 150-170

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stacked Fronts for Cooperative Systems with Equal Diffusion Coefficients2011

    • 著者名/発表者名
      M. Iida, R. Lui, and H. Ninomiya
    • 雑誌名

      SIAM J. Math. Anal.

      巻: 43 ページ: 1369-1389

    • DOI

      10.1137/100792846

    • 査読あり
  • [学会発表] The traveling spots and rotating waves of the wave front interaction model2011

    • 著者名/発表者名
      H. Ninomiya
    • 学会等名
      Reaction-Diffusion Systems in Mathematics and the Life Sciences
    • 発表場所
      University of Montpellier II
    • 年月日
      Sept. 20-22, 2011
  • [学会発表] Waves in lattice reaction-diffusion systems2011

    • 著者名/発表者名
      D. Ueyama
    • 学会等名
      Reaction-Diffusion Systems in Mathematics and the Life Sciences
    • 発表場所
      University of Montpellier II
    • 年月日
      Sept. 20-22, 2011
  • [学会発表] Reaction-diffusion approximation and related topics2011

    • 著者名/発表者名
      H. Ninomiya
    • 学会等名
      One Forum, Two Cities: Aspect of Nonlinear PDE
    • 発表場所
      National Taiwan University
    • 年月日
      Aug. 29-Sep. 1, 2011
  • [学会発表] Non-planar traveling waves and entire solutions of Allen-Cahn equations2011

    • 著者名/発表者名
      H. Ninomiya
    • 学会等名
      Asymptotic Dynamics Driven by Solitons and Traveling Fronts in Nonlinear PDE
    • 発表場所
      Universidad de Chile, Santiago
    • 年月日
      20110711-15

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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