体積の測り方(測度)をうまく選ぶと,発展方程式の解が作る流れの体積を時間に関し変化しないようにできることがある.このような測度を不変測度という.無限次元空間で不変測度を構成する事はそれ自身興味深いだけでなく,不変測度を用いて解の大域挙動について解析できるため,非線形発展方程式論の観点から重要な研究課題である.形状記憶合金の数理モデル方程式であるFalk方程式に対し,Gibbs測度とKuksin流の不変測度を構成し,それらの特徴を比較した.また,電離層に於ける電磁場スペクトルの擾乱現象を記述する加法ノイズ付きZakharov方程式の初期値問題に対し,時間大域解の存在を証明した.
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