研究課題/領域番号 |
23654054
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
落合 啓之 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (90214163)
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キーワード | 曲面 / 変形空間 / モジュライ / セミノルム / 関数空間 / 群 |
研究概要 |
この研究は動く映像の特徴を抽出する空間を構成し、解析・応用することを目指している。コンピュータグラフィクスによる映像は大きなデータが時間とともに動くものであり、それを点集合と考えて統制することはデータの大きさやデータの可視性、コントロール可能性のいずれの点からも現実的ではない。映像の全体の集合に何らかの空間構造を入れることができれば、その構造に基づいて映像の制御や制作に活かすことができる。本年度は計画の初年度にある、3次元空間内に置かれた2次元曲面の局所モデルを取り扱った。曲面の変形可能性空間の局所的な構成と、その座標構造を、3次元の中で実現した場合と、2次元で内在的に記述した場合の比較を行い、内的な座標の変換則を見つけた。運動群やそれの部分群である回転群、それを含む一般線形群における行列の分解と補完に関して、計算速度や操作性を合わせた観点から様々な編集手法の比較を行っている。 これにあわせて、ユークリッド空間の運動群や回転群、一般線形群の作用する等質空間の軌道の分類や有限性に関する研究を行った。(西山享(青山学院大学)大島芳樹(東京大学)Xuhua He(香港科学技術大学)との共同研究。)これらの進展は、軌道全体が次元を持つ場合にはモジュライ空間的な記述を持つことと相まって、上記の局所モデルの構成につながっている。 離散微分幾何的なアプローチは翌年度に行う計画であったが、本年度もDMB による編集の関数空間による定式化を通じて、離散微分幾何的な意味を考察する作業を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いくつかの知見を得ることができ、挑戦的萌芽研究の初年度としてはまずまずと言える。研究の方向性がついて、翌年度からの研究も滞りなく行えると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、局所から大域へ、連続から離散へ、モデルから制御へとそれぞれ進んでいく。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年の年度末に予定されていた外国人の来日がキャンセルになり、出張の予定が平成25年度に延期になった。その分の研究は平成25年度にまとめて行う。CGの研究者の在住する東京や札幌で研究打ち合わせをするなどの旅費にあわせて、成果の発表のために京都へ行くなどにも活用する。
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