研究課題
この研究は動く映像の特徴を抽出する空間を構成し、解析・応用することを目指している。コンピュータグラフィクスによる映像は大きなデータが時間とともに動くものであり、それを点集合と考えて統制することはデータの大きさやデータの可視性、コントロール可能性のいずれの点からも現実的ではない。映像の全体の集合に何らかの空間構造を入れることができれば、その構造に基づいて映像の制御や制作に活かすことができる。まず、3次元空間内に置かれた2次元曲面の局所モデルを取り扱った。曲面の変形可能性空間の局所的な構成と、その座標構造を、3次元の中で実現した場合と、2次元で内在的に記述した場合の比較を行い、内的な座標の変換則を見つけた。運動群やそれの部分群である回転群、それを含む一般線形群における行列の分解と補間に関して、計算速度や操作性を合わせた観点から様々な編集手法の比較を行った。これらの業績の一部は、国際会議SIGGRAPH ASIA2013 でコースを行うなど、広く公開した。これにあわせて、ユークリッド空間の運動群や回転群、一般線形群の作用する等質空間の軌道の分類や有限性に関する研究を行った。これらの進展は、軌道全体が次元を持つ場合にはモジュライ空間的な記述を持つことと相まって、上記の局所モデルの構成につながっている。離散微分幾何的なアプローチとしてはDMB(Direct Manipulation Blendshape) による編集の関数空間による定式化を通じて、離散微分幾何的な意味を考察する作業を進めた。また、新しい着想として、曲線族のスプラインを用いた記述に使われている移動座標系に関して新たな見方を着想し、現在、その不変性や共変性と運動の記述可能性に関して研究を進めている。当初の研究計画にあげたいくつかの点に関して萌芽的な成果を挙げたと認識している。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 5件)
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http://mcg.imi.kyushu-u.ac.jp/meis2013/