研究課題
研究代表者はリーマン計量の時間発展解としてアインシュタイン方程式の解であるローレンツ計量をコーシー問題の解として構成した。この構成自体は、LerayとChoquet-Bruhatによって確立された準線形双曲型方程式系のコーシー問題の可解性から従うものであるが、この時間的局所解を、漸近平坦性をもち、スカラー曲率が正であるリーマン計量全体からなるモジュライ空間内の時間を助変数とする軌跡として捉えたときに、その軌跡がモジュライ空間のある領域内に含まれることを示した。ここでリーマン計量のモジュライ空間は、コーシー問題の初期値のモジュライ空間として同一視され、それらの初期値と同じ漸近普遍量の値を持つアインシュタイン方程式の既知の厳密解との比較を通じて、ペンローズ不等式とよばれる幾何学的な文脈を持つ不等式の一般化に成功した。この結果はGilbert WeinsteinとMarcus Khuriとの共同研究として、現在論文を執筆中である。また研究分担者中村は、今年度ド・シッター空間におけるコーシー問題を含めたアインシュタイン方程式に密接に関連する非線形双曲型偏微分方程式の研究を進めた。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 9件)
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