研究課題
昨年度に引き続き、筑波宇宙センター6 mチャンバー試験棟において、90 cm口径の望遠鏡と、30 cm口径の平面鏡を用いた波面縫い合わせ実験を行った。具体的な作業として、まずは、高精度平面鏡、および、低精度平面鏡を用いた波面縫い合わせ測定を実施し、両試験結果の差から、平面鏡の面精度が低いときに生じる測定誤差の影響を評価した。次に、平面鏡を自転させながら、望遠鏡光軸に対して公転させる方法で、望遠鏡の全波面データを取得し、本研究で提案する新しいアイデアを導入した測定を実施した。それと平行して、波面縫い合わせソフトの開発を進め、アルゴリズムの改良を行った。新しいアイデアを導入した測定を実施した結果、平面鏡の回転移動に伴って微小に変化するチルトを正しく測定できず、波面縫い合わせ結果に系統誤差が乗るという問題が発覚した。そのため、平面鏡を自転させる回転ステージ上にモニター用の小型ミラーを2方向に設置し、回転に伴って発生する2軸の微小チルトをモニターできるようにした。そのチルト量を考慮する計算アルゴリズムに改良し、測定を行った結果、平面鏡の面精度が低いことによって生じる波面縫い合わせ誤差を大幅に軽減できることが分かった。以上の成果を米国で行われた国際会議の集録や、国内の学会などで報告した。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Proceedings of the SPIE
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