研究課題/領域番号 |
23654077
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
LIPPMAA Mikk 東京大学, 物性研究所, 准教授 (10334343)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 粒子測定技術 |
研究概要 |
Be酸化物の関連化合物の薄膜結晶を作製するための超小型パルスレーザー堆積装置を開発した。まず本装置の動作確認としてチタン酸ストロンチウムと酸化亜鉛の薄膜を作製した。高速反射電子線回折(RHEED)を用いて薄膜表面をその場観察しながら結晶成長を原子層レベルで制御することができた。また、エキシマレーザーで約10eVのバンドギャップを持つBe酸化物をアブレーションして薄膜を作製するために、BraggStarの紫外線のパルスレーザーを利用し、Be酸化物の焼結体ターゲットをアブレーションすることに成功した。この方法を用いてBe酸化物とZn酸化物の成長条件を系統的に調べ、インターバル堆積手法を利用することでZn酸化物とBe酸化物が混合した薄膜の作製に成功し、その構造評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の研究予定はBe酸化物焼結体を利用するための薄膜合成装置のセッティング、そしてBe酸化物とZn酸化物が混合した薄膜を作製することであった。薄膜を堆積するためのハードウェアの立ち上げとして、新しい薄膜堆積装置を開発した。さらに一般的なエキシマレーザーではアブレーションできないような広いバンドギャップを持つ酸化物の薄膜原料をレーザーでアブレーションするためのセットアップも進めた。この新しい装置環境を利用することでサファイア基板上にBe酸化物とZn酸化物が混晶した薄膜の作製に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究は計画通り、Zn酸化物またはTi酸化物とBe酸化物の混晶薄膜の作製を継続する。特に、薄膜の作製条件を最適化することによって結晶性が高い薄膜サンプルの作製を実現する。さらに作製した薄膜の光学特性や輸送特性も同時に進める。将来的に放射線センサーとして応用するために、Be酸化物の混晶薄膜のドーピング効果についても系統的に調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の予算は主にサファイア基板、焼結体ターゲット、輸送特性を測定するための評価装置のセットアップに利用する電子部品、エキシマレーザーに利用するガスなど消耗品の購入に利用される。また、Be酸化物薄膜の結晶成長とその特性評価に関する論文の投稿費用にも利用される。
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