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2011 年度 実施状況報告書

中性K中間子ベータ崩壊の発見

研究課題

研究課題/領域番号 23654087
研究機関京都大学

研究代表者

南條 創  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40419445)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードKLベータ崩壊 / チェレンコフ検出器
研究概要

KLベータ崩壊同定において、荷電K中間子の同定が重要であり、チェレンコフ発光を用いてこれを行う。今年度は、このチェレンコフ検出器の開発を行った。数種類のプラスチック、ガラスを購入し、チェレンコフ発光をテストした。本研究に必要な屈折率1.45に対応するもので、まだ光量の観点で十分な性能を得るには至っていない。このテストでは通常のバイアルカリ光電面によるPMTを用いていたが、実際は紫外側の感度を向上させた、UVガラスを窓材にしたPMTを用いる。これにより光量の向上が期待できる。このUVガラス窓のPMTについても、本実験中に、真空内部にいれることも想定して、真空中で動作可能であり、真空中での放熱対策を施したものを開発した。試作及びテストを行い、十分な性能を確保した。チェレンコフ検出器については、運動量分析をしたテストビームによる性能評価を行う予定だが、今年度は震災の関係もあり、テストビームが稼働せず、次年度に持ち越す。こういったテスト実験や、KLベータ崩壊測定の本実験においても、高時間分解能TDCが必要となり、この準備をし、動作テストも行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

チェレンコフ検出器については、過去に例のない屈折率を選定しており、今回選定したものでは媒質中の光量損失が予想以上に大きいと考えられる。

今後の研究の推進方策

チェレンコフ検出器については、UV窓PMTによる光量増加に加えて、さらに発光体をテストし、最終的にはテストビームを用いて性能評価を行う。荷電粒子トラック用のThin Gap Chamberについても試作を行い、実際のKLベータ崩壊測定に使えるものを準備する。KLベータ崩壊測定に向け、検出デザインを再評価し、実際のセットアップを確定させ、年度末のビームタイムではエンジニアリング実験を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

チェレンコフ発光体の候補やThin Gap Chamber試作など、材料費がかかる他、テストビーム、本実験に向けての架台準備を行う。電磁石についても、エンジニアリング実験に向け、1台製作をする予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Measurement of $K^0_L$ flux at the J-PARC neutral-kaon beam line2012

    • 著者名/発表者名
      K.Shiomi,H.Nanjo,et al.
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A

      巻: 664 ページ: 264-271

    • DOI

      10.1016/j.nima.2011.11.010

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Study of the $K^0_L \to \pi^0 \pi^0 \nu \bar{\nu}$ decay.2011

    • 著者名/発表者名
      R.Ogata,H.Nanjo,et al.(E391a Collaboration)
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 84 ページ: 052009

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.84.052009

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10  

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