周期的微小重力干渉計実現のための予備実験として、シャドー位置センサーを用いた重力波検出器を周期的に自由落下させるシステムを開発し、これを動作させ、データを取り、データ解析を行った。 重力波センサーとしては、小さな透明容器の中に金属球2個と、LEDとフォトダイオードからなるシャドウ位置センサーを組み込んだものを用いた。金属球は、通常はテフロン性のリングの上に鎮座しており、リニアモーターによる上下運動に伴う容器の落下とともに浮かび上がったのち、リング上に静かに着地し、自由落下運動を周期的に繰り返すことが可能なシステムになっている。また、金属球がリングから浮かび上がっていることを判断するために金属球の上部にかすらせるようにシャドウセンサーを配置している。また、重力波信号を検出するため、2つの金属球の間隔を別のシャドウセンサーにて計測する。 この装置を用いて、約1分間のデータを取得し、データ解析を行った。データ解析に関しては、各セグメントにおける平均位置と平均速度を計算し、それをデータから差し引き、その結果に対して重力波信号のマッチドフィルターの技術を使うことにより、重力波信号を効率的に取り出す手法を用いた。 これらの実験により、センサーの自由落下運動の実現に成功し、また前年度に開発したデータ解析の手法の有用性も確認することができた。これらは、周期的微小重力干渉計実現のための大きなマイルストーンとなるものである。
|