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2011 年度 実施状況報告書

電子ビーム駆動超大強度超音波源の開発による動的カシミール効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23654095
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

吉田 光宏  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (60391710)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード加速器 / ミリ波
研究概要

動的カシミール効果は、真空のゼロ点エネルギーを直接的に電磁波として観測できる唯一の方法であり、過渡的な境界の変動に伴う量子場の零点エネルギーの変化による電磁波の放射である。しかし圧電素子などの既存技術では、共振器の壁を量子場の真空の定義が変わるほど高速に高周波で動かすことが難しく、実験的に検証されていない。 本研究では、電子管内の密度変調された電子ビームを用いて従来技術を遥かに凌駕する高周波で大強度の超音波による動的カシミール効果の検証を目的としている。動的カシミール効果では直接的に零点エネルギーからの電磁波が観測でき、量子電磁気的なエネルギーである事が実証できるのが特色である。 研究期間前半においては、従来の圧電素子などを遥かに凌駕できるGHz帯の電子ビーム駆動の超大強度超音波源を、既存電子管を改造する事で開発する。 H23年度は、電子管の出力空洞部分に超音波変換ターゲットを取り付け、大強度超音波源の製作・試験を行ってきた。超音波変換ターゲットとしては、飛程が短く波長が長い、つまりZが大きく硬いタングステンが最も有望である。また、超伝導空洞・冷却低雑音アンプ等を実装する冷却チェンバーの詳細設計を行った。さらに超音波を低温側へ伝達させる物質として、熱伝導が小さく、減衰の小さい物質を選定し、その一部を超音波を収束させる構造とする事で熱伝導を最小限にしつつ、超音波を最大限導入させるための材料及び形状の評価を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究期間前半においては、従来の圧電素子などを遥かに凌駕できるGHz帯の電子ビーム駆動の超大強度超音波源を、既存電子管を改造する事で開発する事が研究計画である。H23年度までの研究計画で達成する予定だった、電子管の出力空洞部分に超音波変換ターゲットを取り付け、大強度超音波源の製作・試験を行ってきており当初の予定を達成している。また、超伝導空洞・冷却低雑音アンプ等を実装する冷却チェンバーの詳細設計も行い達成されている。さらに超音波を低温側へ伝達させる物質の材料評価も予定通り進行中である。

今後の研究の推進方策

H23年度に製作・試験を進めてきた電子ビーム駆動の超大強度超音波源を完成させる。さらに超音波源が完成後は、GHz帯の物質中での超音波の減衰等の測定を行い、超音波の導入方法の詳細設計を行った。また実験チェンバーの詳細設計・製造を行い、既存の超伝導空洞・冷却低雑音アンプ等を実装する。これらを個別に試験した後、研究期間後半においてGHz帯の動的カシミール効果による電磁波放出の測定を行う。

次年度の研究費の使用計画

初年度の超音波源と超音波の伝達のデータを元に、冷却チェンバーの製作を行い、既存の超伝導空洞・低雑音アンプ・真空系等を取り付け、測定の準備を行う。その後、電子管を改造した大強度超音波源と接合して、動的カシミール効果による電磁波放出の測定を行う。

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公開日: 2013-07-10  

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