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2012 年度 実施状況報告書

電子ビーム駆動超大強度超音波源の開発による動的カシミール効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23654095
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

吉田 光宏  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (60391710)

キーワード量子電磁気 / カシミール効果
研究概要

動的カシミール効果は、真空のゼロ点エネルギーを直接的に電磁波として観測できる唯一の方法であり、過渡的な境界の変動に伴う量子場の零点エネルギーの変化による電磁波の放射である。しかし圧電素子などの既存技術では、共振器の壁を量子場の真空の定義が変わるほど高速に高周波で動かすことが難しく、実験的に検証されていなかった。 本研究では、電子管内の密度変調された電子ビームを用いて従来技術を遥かに凌駕する高周波で大強度の超音波による動的カシミール効果の検証を目的としている。動的カシミール効果では直接的に零点エネルギーからの電磁波が観測でき、量子電磁気的なエネルギーである事が実証できるのが特色である。
研究期間前半においては、従来の圧電素子などを遥かに凌駕できる100MHz~GHz帯の電子ビーム駆動の超大強度超音波源の開発を行った。超音波のターゲットの飛程等との関係から、駆動する周波数としては低い方が良いが、低い周波数で電子ビームに変調をかけるためには、入力空洞や中間空洞が大型になり、装置全体が大型化してしまう。そこでレーザー駆動の電子管を製作した。
また超音波変換ターゲットとしては、飛程が短く波長が長い、つまりZが大きく硬いタングステンが最も有効である。超音波を低温側へ伝達させる物質としても、熱伝導が小さく、減衰の小さい物質の評価をさらに進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究期間前半においては、従来の圧電素子などを遥かに凌駕できる100MHz~GHz帯の電子ビーム駆動の超大強度超音波源を製作・試験を行ってきており当初の予定を達成している。また、超伝導空洞・冷却低雑音アンプ等を実装する冷却チェンバーの組み立ても
行い達成されている。さらに超音波を低温側へ伝達させる物質の材料評価も予定通り進行中である。

今後の研究の推進方策

本研究では、電子管による大強度の超音波による動的カシミール効果の検証を目的としている。このためには電子管による超音波源の開発と、超音波の導入系、冷却チェンバー内の超伝導空洞、低雑音増幅器、及び測定系等が必要となる。
今後は、冷却実験チェンバーの組み立てを行い、既存の超伝導空洞・冷却低雑音アンプ等を実装する。これらを個別に試験した後、電子管を改造した大強度超音波源と接合して、100MHz~GHz帯の動的カシミール効果による電磁波放出の測定を行う。
またシリコンウェハー上の超伝導の低雑音増幅器として、パラメトリック増幅器を用いた場合、パラメトリック増幅器の共振器による動的カシミール効果の測定も可能であり、同様の装置で測定可能である。

次年度の研究費の使用計画

冷却チェンバーの組み立てと、それに伴う真空部品、温度計等が必要となる。さらに低雑音増幅器の実装や、この後段のアンプ、測定系等を準備する。

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公開日: 2014-07-24  

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