研究概要 |
研究計画書に書かれている内容のほぼ全てに当たる内容とそれ以外の内容について、達成できたため、研究は当初の計画以上に遂行していると言える。達成項目は下記の6点である。 (1)メソゲン側鎖基のスペーサー長効果を検討するために、m = 3~5, 7~9, 11~14, 16, 18のHOCH(CH3)CH2O(CH2)mOMを必要量合成した。(2)フマル酸とのエステル化反応により相当するbis-Fフマレートモノマーを、同様の手法により相当するbis-Nノルボルネンジカルボキシレートモノマーを合成した。(3)bis-Fはラジカル重合、bis-Nは配位アニオン重合によりポリマーへ導いた。(4)各ポリマーの分子量分画を行い、分散度が1.1以下の各種分子量の試料を確保した。またそれぞれの試料についてキャラクタリゼーションを行った。(5)上記(4)で得られた試料について、液晶相変化の温度特性を求め、XRD測定などを実施した。(6)ロジウム錯体を用いたジアゾ酢酸エステルの重合によるシンジオタクチックポリ置換メチレンの合成を行った。具体的には(1)~(4)記載の試料以外に側鎖基がアルキレンないしフェニルアルキレンのポリ置換メチレンを重合し、液晶としてのキャラクタリゼーション((5)を中心に)を行った。特にアルキレン側鎖を持つポリ置換メチレン群について、一定長以上の側鎖炭素数条件でヘキサゴナルカラムナー相を発現し、主鎖がポリマーのシンジオタクチック性に由来したらせん構造を取る事をそれぞれ明らかにした。
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