生体系では自らを駆動する為に、外部からの化学エネルギーを様々な形で力学的エネルギーに変換している。そのような化学刺激を力学的エネルギーへと変換する機構について2つの観点から検討を行った。1つは、化学エネルギーをチューブ状ベシクルの螺旋運動へと転換し、そこから駆動力を得る機構、もう1つは化学刺激によって得られるベシクル膜の表面エネルギーの勾配を使って駆動する系である。前者については、脂肪酸分子集合体が螺旋運動を行なう条件を見出した。後者については化学刺激によって、ベシクルがその刺激の源に集まるchemophoresis(chemotaxis)現象を見出した。
|