単層グラファイト薄膜の表面に吸着した物質の核磁気共鳴に挑戦することが本研究の目的である。その足がかりとするため、薄膜の表面に吸着された酸素による電気伝導度の変化を測定した。また、その変化の温度依存性を調べた。しかし、表面の清浄さが十分ではなく、検出感度が低かった。微細加工プロセスを修正し、異なる熱処理法(水素・アルゴン雰囲気中での熱処理、薄膜に通電した熱処理等)を試したが、残念ながら劇的に清浄になることはなかった。今後も研究を継続し、走査型プローブ顕微鏡や近接場光学顕微鏡で表面の汚染物に関する詳しい情報を収集する。
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