臨界組成のポリジメチルシロキサン/ポリエチルメチルシロキサン超薄膜系に対して、カシミール力の存在検証を目的として、電気容量の精密測定を行った。100kHzでの電気容量測定により、臨界温度近傍で引力的相互作用の存在が確認され、カシミール力の存在を示唆する結果が得られた。しかし、超薄膜での測定には成功せず、定量的な評価にまでは至っていない。また、ポリスチレンとポリ2クロロスチレン(P2CS)の多層膜に対して、様々な位置でのP2CSのα過程による誘電緩和のシグナルのみを選択的に取り出し、α過程の位置依存性観測に成功した。この結果はカシミール力の定量的な評価に向けて重要なものであると期待される。
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