研究課題
本申請課題では,大型放射光施設も高圧発生装置も用いることなく鉱物流動特性を測定する新手法の開発を目指した.研究作業の中で特に独創的だと思われるのは,加熱によって上昇した流体包有物の内圧を差応力源として利用する点である.流体を包有する鉱物を加熱すると流体圧力が上昇し,鉱物内部に急峻な差応力勾配が発生し,差応力分布に応じた様々な塑性変形機構の発現が予想される.それゆえ,流体包有物周辺の転位を詳細に観察すれば,様々なマントル鉱物の流動特性を一挙に究明することが可能となる.そのために必要な主な作業は下記の5点であり,平成25年度は予定通り(5)の課題を滞りなく遂行できた.(1)マントル捕獲岩薄片の作製(2)流体包有物の流体密度の測定(顕微ラマン分光分析)(3)加熱ステージを用いた鉱物の 焼き鈍し及び加 熱中の鉱物内部の圧力分布測定(4)回収試料中の流体包有物の流体密度の測定(顕微ラマン分光分析)(5)集束イオンビームによる流体包 有物周辺の薄膜切り出しおよびTEMによる転位密度測定.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
Geochronometria
巻: in press ページ: in press
Chemical Geology
巻: 352 ページ: 202-210