研究課題/領域番号 |
23654161
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐伯 和人 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50292363)
|
研究分担者 |
金子 克哉 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 助教 (40335229)
|
キーワード | 火山 / UGV / UAV / 携帯電話 / 伊豆大島 / 無人観測 / ロボット |
研究概要 |
活発に活動する火山に観測機器を投入する際に、その成果を左右する最大の課題は、観測機器との通信の確保である。本研究の目的は、誰でも安価で手軽に使える 火山観測用データ通信コアシステムを開発することである。 iPhone端末を使用する試みでは、昨年度のiPhoneをサーバー化する方式から、より安定運用でき、運用の自由度も高い、外部のサーバーと連携する方式へと改良した。観測ロボットを制御するiPhoneに命令を送信したり、iPhoneから情報を受信する際には、一度外部のサーバーを経由する方式とした。また、外部サーバーでは、コマンドや情報をmySQLというデータベースシステムに保存し、通信が不安定な場合でも転送された情報を有効活用できるようにした。このシステムを試験用の簡易なロボット車「Land-1」に搭載し、伊豆大島にて実証試験を行い、外部データベースとのデータのやりとりが現地でも可能なことを確認した。 一方、FOMA携帯端末を使用する試みでは、基地局とロボット間の通信におけるタイムラグが1秒ほど存在し、遠隔地よりの操縦において、機敏に走行する状態には達していない。しかしながら、火山を観測する移動ロボットである「ほむら」にこのシステムを搭載し、伊豆大島において、2km以上離れた場所からの遠隔操作を試みた結果,ほむら車体に搭載したカメラの画像と合わせて、遠隔操縦による走行が可能であることを確認した。また、夜間、伊豆大島裏砂漠地域に放置し、宿泊地よりFOMAを用いてほむらを制御する試験も行い、それが可能であること、さらに、一晩夜露に濡れる状態であっても、ほむらの機体および制御系には問題が生じないことを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2012年度に、通信システムを火山フィールドに持ち出し、基礎的な運用をする実証試験は成功した。次年度は、長期運用や、噴火時のような過酷な状況を想定した実用性を高める試験に移行するが、そのための基礎的な情報は十分に得られたと言える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、火山無人観測ロボットに、開発している通信システムを搭載することを前提として、長期運用や、噴火時のような過酷な状況を想定した実用性を高めるために、電源管理システムや、耐環境性能などの向上をめざす。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|