研究概要 |
2013年7-8月にはアラスカ北部沖の沿岸海域において、係留系の回収と設置を実施した。2012年8月に設置した2系の係留系のうち、岸側の系については回収することが出来なかったが、超音波氷厚計と超音波ドップラー流速計を含む係留系を再び2系設置した。回収に成功した沖側の系については全ての測器で良好なデータが取得されていた。 これまでに取得されたデータについては、昨年度までに処理が進んでいた2009-2010年のものに加えて、2010-2011年のものについても処理を進め、超音波氷厚計による海氷厚のデータを導出した。これにより、2年間のデータに基づいた超音波氷厚計と超音波ドップラー流速計による海氷厚の比較が可能となった。 また、これまでに本研究による観測で取得されたデータに基づく成果の発表を日本海洋学会や国際雪氷学会などの国内外の学会において行った。更に、超音波氷厚計と超音波ドップラー流速計だけでなく、同時に計測されている水温・塩分のデータも用いた海氷の生成過程に関する研究 (Ito, Ohshima, Fukamachi et al.) および海氷の厚さや漂流速度についての係留観測とヘリコプターによって牽引するセンサーや地上のレーダーなどの上空からの観測とのデータの比較研究 (Mahoney, Eicken, Fukamachi et al.) については、成果をまとめてAnnals of Glaciologyに投稿した。
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