一般に、海氷厚の係留観測には特殊な測器である超音波氷厚計が用いられる。海洋観測に広く用いられている超音波ドップラー流速計を用いた海氷厚の計測手法の開発を行うために、アラスカ北部の沖合で、これらの両方の測器を含む係留系による観測を実施した。3年間に延べ4箇所で両方の測器で良好なデータを取得することに成功し、一部のデータについて超音波氷厚計の生データから海氷厚を算出した。 本研究の観測で取得された海氷・海洋のデータを用いて、沿岸定着氷の崩壊、ポリニヤにおける過冷却水とフラジルアイスの生成、電磁誘導センサーによる海氷厚計測とレーダーによる海氷漂流速度の計測との比較研究についての成果をまとめた。
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