測定原理の異なる二つの雨量計で得られた10秒降水量データを用いて,発達した積乱雲群を構成する対流セルの微細構造を調べた.二つの雨量計で得られた10秒降水量の時間変化には,明瞭な1-2分周期の変動が認められ,多くの場合,その二つの位相は一致していた.この事実は,1-2分周期の変動は測器の測定誤差ではなく,実在の現象であることを意味している.つまり,一般に積乱雲の構成単位と考えられている対流セルの内部には,更に小さな複数の降水コアがおおよそ1km間隔で分布していると考えることができる.しかし,降水コアには周期性が認められるが,降水コア通過に伴い地上気象要素が変動する事実は認められなかった.
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