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2012 年度 実施状況報告書

宇宙線による雲核生成と気候への影響に関する検証実験

研究課題

研究課題/領域番号 23654166
研究機関名古屋大学

研究代表者

増田 公明  名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (40173744)

キーワード宇宙線 / 雲核生成 / 太陽活動 / 地球気候 / 大気電離 / エアロゾル
研究概要

宇宙線と大気の反応を室内実験で再現するために整備した大気反応装置は,混合気体を入れる密閉可能な反応容器,人工空気に微量気体を精度よく混合して疑似大気を生成するガス混合純化装置,反応容器内に生成したイオンの密度を測定するイオン検出器やエアロゾル粒子計数器などの測定器から成る。この装置を用いて,大気微量成分として二酸化硫黄(SO2),水蒸気,オゾンを加えることにより,SO2が酸素及び水と反応して硫酸エアロゾルを形成,オゾンが紫外線照射により活性酸素を生成して硫酸分子の生成に寄与,水分子がOH基の供給源であるとともに,硫酸分子と結合してクラスターを成長させ,エアロゾル粒子や雲核を生成する。
昨年度は実験室におけるベータ線源による試験測定を行い,種々の大気条件の下でエアロゾル生成率の紫外線照射と放射線照射の有無による違いから,実際の大気環境に近い状況でイオン密度の増加に伴うエアロゾル密度が増加することと,高イオン密度でエアロゾル生成が飽和傾向を示すことを明らかにした。
そこで今年度は,強度の強い放射線源や加速器粒子による種々の電離能力を持った放射線を照射して,粒子生成の違いを検証する予定であったが,イオン検出器や精製粒子径数装置の動作が安定せず,生成粒子計数装置はメーカーによる修理が必要なことが判明した。そこで,この装置の修理を行った後,エアロゾル反応容器及び生成粒子計数装置等の検出システムの再整備と動作確認を行った。幸い,本補助事業の期間延長を認めて頂いたので,次年度に種々の電離能力を持った放射線を照射して粒子生成の違いを明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

今年度は,強度の強い放射線源や加速器粒子による種々の電離能力を持った放射線を照射して,粒子生成の違いを検証する予定であったが,イオン検出器や精製粒子径数装置の動作が安定せず,生成粒子計数装置はメーカーによる修理が必要なことが判明した。そこで,この装置の修理を行った後,エアロゾル反応容器及び生成粒子計数装置等の検出システムの再整備と動作確認を行ったため,当初の予定が達成されていない。

今後の研究の推進方策

エアロゾル反応容器及び生成粒子計数装置等の検出システムの再整備と動作確認を行った後,種々の電離能力を持った放射線を照射して粒子生成の違いを測定し,その結果を解析する予定である。外部の施設を利用することになるため,移動可能な範囲である程度の大きさを持つ反応容器を製作したが,測定器類と合わせて,やや機動性に欠けるので,効率よく移動等ができる手段を考える必要がある。

次年度の研究費の使用計画

当該年度に予定の実験ができなかったため,その経費に関わる研究費を次年度に使用する。主な用途は疑似空気の成分気体のボンベガス,補助装置の製作費,装置の運搬費用,外部施設への実験旅費である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 太陽活動が地球気候に及ぼす影響-銀河宇宙線によるエアロゾル生成-2012

    • 著者名/発表者名
      増田公明
    • 雑誌名

      エアロゾル研究

      巻: 27 ページ: 264-268

    • 査読あり
  • [学会発表] 宇宙線による雲凝結核生成の検証のための加速器実験準備2013

    • 著者名/発表者名
      鈴木麻未
    • 学会等名
      日本物理学会第68回年次大会
    • 発表場所
      東広島,広島大学
    • 年月日
      20130326-20130329
  • [学会発表] 宇宙線による雲凝縮核生成の室内検証実験2012

    • 著者名/発表者名
      増田公明
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2012年大会
    • 発表場所
      千葉,幕張メッセ
    • 年月日
      20120520-20120525

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公開日: 2014-07-24  

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