本研究は、大気-海洋界面及び海洋鉛直下の無機炭素量測定を想定した固体電解質型CO2センサの研究、及び本センサを用いた水槽中及び海洋中での複数箇所同時連続計測の可能性を探ることを目的とした。CO2センサ素子は分子認識部(通常は炭酸塩)と信号変換部(固体電解質)で構成される。そこで、まず海洋中使用による耐水性を考慮した素子の改良として固体電解質や構造を変えた複数の素子の基礎データを収集し、さらに新たな分子認識物質の可能性及びその応答メカニズムの検討を行った。検討した素子で実際に水槽中の複数深度における溶存CO2の同時計測を行ったところ、問題点は残るが本素子を用いた溶存CO2計測の可能性も示された。
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