研究課題
研究目的は、スペクトルサーベイメータを用い、野外でウラン、トリウム、カリウムの相対放射線強度を測定し、簡便な方法で後背地解析への応用を目指すことであった。3年計画で、2012年より研究を開始したが、東日本大震災の影響で放射線関係機器の入手が約11ヶ月遅れ、またその後半年の故障期間が生じ、実質1年半での研究となった。その中で、矢作川水系において、後背地に分布する岩石と矢作川の現河床堆積物の両方のγ線スペクトルを測定し、後背地の岩石のデータから計算で求められる計算値と実際に堆積物から得られたデータを比較した。その結果、花崗岩を主とする地域では比較的よい相関が得られたが、変成岩を主とする地域では実測値が低く出る結果となった。このことから、源岩におけるウランを含むジルコンが惨状やカリウムを含むカリ長石や黒雲母の惨状が花崗岩地域と変成岩地域で異なることが推定されたため、源岩での惨状を調査することにした。最終年度では、花崗岩における風化の程度とカリウムを含む鉱物の状態及びそれらから発生されるγ線スペクトルの強度について検討を行った.その結果、風化の程度はγ線強度にあまり影響がしない、あるいは影響はしているが、そのばらつき以上に眼帯内の不均質性の方が大きい結果が得られた。当初の計画では、キャリブレーション、現河川系でのテスト測定、堆積環境と放射線強度の関係、古期岩類の後背地解析を行う予定であったが、キャリブレーションと現河川系でのテストまで検討することができ、その中で生じた問題点の解明のため、源岩における風化の程度と放射線強度の関係を調べることになった。実質の研究機関の短縮も生じたため、当初計画の半分程度の達成度となったが、新しい手法の確立に向けて多くのデータが得られた。
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